メーカーを紹介する前に、AGVの走行方式について解説します。走行方式は日本工業規格(JIS)によって以下の3種類に分類されており、AGVによって異なるのが特徴です。
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(参考:JIS/無人搬送車システムに関する用語)
経路誘導式は、磁気テープや光反射テープ、電磁誘導ケーブルなど、経路に沿って設置した誘導体を用いて誘導する方式です。これまで多くのAGVで導入されていた走行方式ですが、一度走行ルートを決めると容易に変更できないというデメリットがあります。
自律移動式は、誘導体や人の操縦などがなくても、AGV自らが自己位置を特定し、目的地へ移動する方式です。AI技術の発達にともない、自律移動式のAGVが普及しています。
追従式は、特定の人や先行する車両などに、一定の距離を保って追従する走行方式です。自律移動式の一種であり、AGVが自律的に移動します。
さらに詳しいAGVの説明が知りたい方は、以下の記事もご確認ください。
こちらでは、AGVのメーカー10社を厳選して紹介します。各社AGVの特徴も併せてご紹介します。
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Libiao Roboticsは中国の会社であり、中国国内でもっとも導入実績のある仕分けAGVを提供しているメーカーです。当社プラスオートメーションでも、Libiao Roboticsが提供するロボットソーター「t-Sort」を取り扱っています。
t-SortはPVCシートを用いたマット上を走行し、設置したボックス等に仕分けた商品を投入する仕組みです。充電もロボット自ら行い、短時間で完了します。小型で設置場所を選ばないため、テーブルやパレットなどを用いて省スペースで導入できる点がメリットです。
なお、Libiao Roboticsは独自開発のナビゲーションとアルゴリズムを使用し、指令システムやAIルート決定システムなどを開発しています。これによりAGVのエラー率を0.01%以内に抑えており、国内での導入も加速しています。
株式会社ZMPは、物流ロボ「CarriRo」シリーズを展開しているメーカーです。CarriRo ADには複数の走行モードが備わっており、用途に応じて使い分けが可能です。
物流倉庫だけでなく、工場やホテル、空港などでも導入が進んでいます。なお、リーズナブルに導入できる追従型モデル「CarriRo FD」も提供しており、CarriRo ADの後続として活用することで無人隊列搬送も可能です。
SEERはモバイルロボットの製造など、さまざまなソリューションをワンストップ提供する中国のメーカーです。当社では、SEERが提供するAMRを提供しています。
AMRは「Autonomous Mobile Robot」の略称で、自律走行搬送ロボットという意味を持つ言葉です。センサーやカメラの情報から周辺情報を判断し、自動で運搬を行うロボットのことを指します。
従来はAGVが主流でしたが、近年では人や障害物を避けて走行するAMRの開発が進み、導入する企業が増えつつあります。
この様子から、AMRは「次世代AGV」とも呼ばれているため、今後注目すべきメーカーとしてSEERを紹介しました。
(画像引用:株式会社ダイフク/全方向移載型無人搬送台車「FAV」)
さまざまな物流ソリューションを提供する株式会社ダイフクでは、レイアウト自由な自動搬送システムを展開しています。コンベヤタイプ、フォークタイプ、ロールハンドリングタイプなど、用途やサイズに合わせてAGVの選択が可能です。
全方向移動型の無人搬送車であり、環境に配慮したリチウムイオンバッテリを搭載しています。AGVと自動倉庫を組み合わせることで、さらに業務の効率化を実現できるでしょう。
(画像引用:株式会社リコー/無人搬送車 M2)
デジタルサービスやインダストリアルソリューションなどを展開する株式会社リコーでは、潜り込み式AGVを活用した台車運搬業務や、牽引式AGVを活用したカゴ車搬送業務の自動化を提供しています。黒色ビニールテープを利用した画像認識誘導方式で走行する仕組みです。
稼働中の停止時間を利用して、こまめにワイヤレス充電を繰り返します。プラスチックやガラスなどの遮断物があっても、問題なく充電を行えるのが特徴です。
(画像引用:日本車輌製造株式会社/大型無人搬送車)
鉄道車両製造のトップメーカーである日本車輌製造株式会社では、大型無人搬送車を提供しています。積載重量10t以上の大型AGVにおいて、国内No.1の納入実績を誇るメーカーです。
走行路面に埋設された磁気ガイド(マグネット)を用いた磁気誘導方式を採用し、カーブでも高速で安定した走行を実現します。物流や工場の現場で10t以上の大型AGVの導入が進んでおり、昼夜問わず品質の高い運搬が可能です。
(画像引用:株式会社ヘッズ/屋外カート型)
AGV・AMRの専門メーカーである株式会社ヘッズでは、屋外カート型やリフター搭載型、低床型など、さまざまなAGVを世界各国で展開しています。
ワーク寸法や旋回など、仕様にもっとも適しているAGVをオーダーメイドにて自社設計しています。そのため、メンテナンスやルート変更などのアフターフォローも安心です。
(画像引用:株式会社エレメックス/特殊搬送台車)
AGVの製造販売を行っている株式会社エレメックスは、超重量搬送台車や特殊搬送台車など、さまざまなタイプのAGVを展開しているメーカーです。自動車製造工場を中心に導入が進んでいます。
特に天井クレーンと共存できるような、重量搬送AGVの取り扱いが得意です。車体寸法や機能など、さまざまなニーズに応えた特殊仕様にも対応しています。
(画像引用:愛知機械テクノシステム株式会社/車輌搬送AGV)
独自の技術によりAGVの製造を行っている愛知機械テクノシステム株式会社では、さまざまなシーンで活用できる「Carry Bee」シリーズを展開しています。低床タイプや台車タイプなど、あらゆる分野で活用できる多彩なバリエーションが特徴です。
Carry Beeシリーズは、磁気テープを貼るだけで自由に導入できるAGVです。多種多様な生産ラインに対応できるように、オプションラインナップも豊富に取り揃えています。
(画像引用:村田機械株式会社/AGV)
ロジスティクス&オートメーション事業などを展開する村田機械株式会社は、荷物を移載・搬送するAGVを提供しています。医薬品や食品、精密機械など、さまざまな業種や環境への対応実績があるメーカーです。
AGVだけでなく自動倉庫システムの開発も行っており、同社のスマートAGVと連携することで更なる効率化が見込めます。
AGV(無人搬送車)は高額な導入コストがかかると思われがちですが、プラスオートメーションでは、物流倉庫向けのAGVを月額サブスクリプションで提供しています。
初期費用ゼロ、月額使用料のみのシンプルな料金体系となっているため、目的に合わせて予算を考慮した導入が可能です。
プラスオートメーションではRaaS(Robotics as a Service)という、ロボットをサービスとして提供する方式を取り入れています。ロボットを所有するのではなく、リースまたはレンタルで利用できる仕組みです。
導入・契約までの支援は無償で行いますのでご安心ください。導入後も検証・改善を繰り返し、効果を出すまで並走いたします。
AGV(無人搬送車)にはさまざまなメーカーがあり、走行方式や特徴は各社で異なります。複数のAGVを比較し、導入後も安心してメンテナンスなどを任せられるメーカーであると良いでしょう。
プラスオートメーションでは、AGVをはじめ、自動化に関するご相談をお受けしています。
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