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RaaSによるAGVソーター「t-Sort」導入レポート|澁澤倉庫様の倉庫にて、現地3日間で立ち上げを完了

作成者: +Aセールスエンジニア|21/07/13 3:01

今年の1月、渋沢栄一翁創業「永続する使命。」がスローガンの澁澤倉庫様にて、当社のAGV(Automated Guided Vehicle=無人搬送車)ソーター「t-Sort」の立ち上げを、わずか現地3日間で完了いたしました。本記事では、その事例をご紹介いたします。
インターネット通販市場の急速な発展や、新型コロナウイルスの影響による需要拡大などを受けて、物流業界では業務量が大幅に増大しています。

その一方で、物流の現場は深刻な人手不足に陥っており、多くの物流会社では人材確保とともに、物流作業の省人化・効率化に向けての取り組みが急務となっています。

物流作業の省人化・効率化のための方法の一つとして、まず考えられるのは物流ロボットの導入です。機器の導入にあたってはリードタイムをいかに短縮し、迅速に納入・設置し、立ち上げられるかが大きなテーマとなります。

目次:

1. 澁澤倉庫様について

2. 松戸営業所に「t-Sort」を導入、導入を決断いただいた3のポイント
     (1) ロボット導入効果
     (2) 全体オペレーションフローの検討
     (3) データリンクや他拠点への拡張性

3. 徹底した事前準備と万全のアフターフォローが可能にしたスピード立ち上げ
     (1) たったの3日間で、現地立ち上げが完了
     (2) R&D/デモスペース「cube」でセットアップ
     (3) 設置後のサポートやチェックも入念に実施
     (4) RaaSが自動化への道標に

4. 二人三脚での迅速な導入、今後は実運用データをもとにした改善も視野に

 

1.「永続する使命。」がスローガンの物流企業・澁澤倉庫様

(1) 日本資本主義の父・渋沢栄一が創業 

澁澤倉庫様は、NHK大河ドラマ「青天を衝け」や、新一万円札肖像など、今話題の日本資本主義の父渋沢栄一翁が、自邸の倉庫を使い家業として創業されたという業歴の長い上場物流企業です。

渋沢栄一翁は現在のサステナビリティの考え方の先駆者であったそうで、澁澤倉庫様は「永続する使命。」を企業スローガンとされ、使命を果たし続ける為の革新的な取り組みにも力を入れておられます。

(2) RA(ロボティクスオートメーション)への関心が、当社との出会いに  

澁澤倉庫様は競争力強化プロジェクトという、自社の強みに磨きをかけるプロジェクトの一つのテーマとして、多品種少量の貨物のハンドリング力の向上に取り組んでおられました。その中でRA(ロボティクスオートメーション)等の新しいテクノロジーがどの様に活用できるか等の検討を進めておられました

プロジェクトメンバーの方が多くの会社と接触される中で、当社の提供サービスに大変興味を持って、2020年8月に声掛けいただいたのが当社との最初の出会いでした。

澁澤倉庫様のプロジェクトメンバーが初めて当社をご訪問いただいた8月の暑い日、ロボットの性能の話に留まらず、業務フロー全体での効果や拡張性といった観点からロボットに何を求めるのか熱いお話を伺いました。

その後およそ1ヶ月で当社が何ができるかプレゼンをさせていただき、その後2ヵ月のキャッチボールを経て設計を終え、12月には契約締結というハイスピードの展開となりました。ロボットと周辺機材の現地立ち上げは、綿密な事前準備の下で、20211月下旬に3日間で完了させました。

 

2. 澁澤倉庫様 松戸営業所に「t-Sort」を導入

(1)ロボット導入効果  



今回、次世代型ロボットソーター「t-Sort」を導入させていただいた松戸営業所は、澁澤倉庫様の中では、アパレルやアウトドア用品、化粧品等の多品種少量アイテムを扱う物流拠点との位置づけで、コロナ禍の中、EC対応も急増している拠点でした。

テストを繰り返す中、多様な形状、重量の多品種商品を少量ずつ縦横にハイスピードで正確に捌けるロボット性能に高い評価をいただきました。またアパレル商品の季節毎入替時の大量返品を始めとした季節波動も、従来は作業のボトルネックとなっていたそうですが、これに対しても、ハイスピード稼動の「t-Sort」が短時間で大量返品商品等を捌ききる能力にも注目いただきました。

加えて当社のRaaS(サブスクリプション型の契約)がトライ&エラーで絶えず先進性を求めるプロジェクトの趣旨にも合致しているとのお話もいただきました。

(2)全体オペレーションフローの検討  

当初、澁澤倉庫様ではロボット性能に着目し、当社にはロボットの導入のみを期待されておられました。

ただ、担当者様はロボット性能もさることながら、全体のオペレーションフローへの効果を考えないと意味がないとの趣旨で、ロボット作業部分の前後でフローが滞ることはないか、ロボットの性能を超える業務量が発生した場合のオペレーション及び対応方法の変更をどうするか、しきりに確認されました。それに応える形で、当社もロボット性能に留まらず、ロボットシステムを含むオペレーション全体といった点まで観点を拡大し、積極的にプロジェクト担当者様とディスカッションし、ソリューションを提案をさせていただきました。

澁澤倉庫様からは、“ロボットとマンパワーを融合したハイブリット型の業務フロー”を構築するというプロジェクトの本来の狙いに合致するソリューション提案であるとのうれしい評価をいただけました。

 (3)データリンクや他拠点への拡張性 

さらにミーティングや現地視察を重ねる中で、澁澤倉庫様のWMS(倉庫マネジメント業務システム)と当社の庫内実行システム「+Hub」とのデータリンクや、当社のソリューション提案を活かした倉庫全体の空間効率性の追求や、将来を見据えた他の拠点への拡張性にも注目いただく事となりました

その結果、当初導入を予定していた階層とは異なる、更に広いフロアーを使った導入を決断いただき、フロアーレイアウトの設計や、ロボット走行面の架台の設計・制作および納品導入までをフルパッケージで担当させていただけることとなりました。

 

3. 徹底した事前準備と万全のアフターフォローが可能にしたスピード立ち上げ


 (1)たったの3日間で、現地立ち上げが完了

今回は、ロボットや架台などフルパッケージでの導入となりましたが、現地での立ち上げはわずか3日で完了しています。現場における立ち上げの、実際のスケジュールは以下の通りです。


2021.1.25 現場立ち上げ1日目(メインは標準型架台の組み立てと設置)

  •   9:00 現地搬入開始
  • 10:00〜18:00 作業

墨出し/架台組み立て/設置/連結作業/レベル調整/一部、ロボット走行シート貼り付け

2021.1.26 現場立ち上げ2日目(目標はロボット18台のランダム走行)

  • 9:00〜12:00(前日から引き続き作業)
    ┗ロボット走行シート貼り付け作業/粘着シートでの固定
  • 13:00〜16:00 機器取付
    ┗アクセスポイント/充電器/PC/配線/ロボットセッティング
  • 17:00 ロボット試運転開始(ランダム走行)

▼ 2021.1.27 現場立ち上げ3日目(システム連携と仕分けテスト)

  • 9:00〜12:00 顧客側システムとのテスト連携開始
    ┗サンプル仕分けデータのインポート
    実績エクスポート
  • 13:00〜15:00 テスト仕分け実施
  • 15:00〜17:00 現場責任者・社員担当者へ操作説明(UT)
  • 17:00〜18:00 残材撤去/撤収

上記のように、機器の組み立てと設置はわずか2日間で完了。3日目はシステムの連携や仕分けのテスト、担当者様への操作説明などに充てています。

(2)R&D/デモスペース「cube」でセットアップ

どんな業界や業種でもそうですが、動いている業務を止めることは、それ自体が企業活動にとってマイナスです。とくに物流業界の現場は常に動き続けており、それをストップすることは非常に大きな負担となります。リードタイムが短ければ短いほど、その分のロスが軽減され、より効率的な現場を素早く立ち上げることで企業収益に寄与することになります。

今回の「t-Sort」導入に際しても、「物流現場を止めない」ことが大きな課題でした。リードタイムを最小限にし、いかに効率的に導入できるかが最重要ポイントとなりました。

自動化導入における当社の大きな特徴として、R&D/デモスペース「cube」の存在が挙げられます。「cube」では、当社ソリューションの動作やデモ体験が可能です。今回も機器の基本的な調整は「cube」にて事前に行い、不具合などをあらかじめ徹底的に排除することで、現場での導入作業は極めてシンプルかつ効率的なものとなりました。その結果、今回の同業他社も驚くようなスピードでの立ち上げを実現しています。

(3)設置後のサポートやチェックも入念に実施

先のスケジュールでも触れた通り、現場立ち上げ3日目の2021年1月27日はシステム連携と仕分けテスト、そして操作説明に充てられています

これは最終の引き渡しの前に、現場の管理者様と作業者様を交えて、実際に物を動かしてもらうユーザートレーニング(UT)の場となります。新しい環境での業務がスムーズに行えるよう、現場で存分に機械を動かしていただき、その場で疑問点など徹底的に質問していただくことをお願いしています。

また、その後も、

  • 2021.2.2   現場作業者(パート様)へのユーザートレーニング実施
  • 2021.2.8   本番環境での使用開始
  • 2021.3.10 1カ月点検と追加ユーザートレーニング実施
  • 2021.4.30 追加システム改修実施(スキャン画面UI変更と自動データ連携機能追加)

など必要に応じて、各段階でのチェックおよび即時改善を繰り返しています。

(4)RaaSが自動化への道標に

機器の設置自体は簡潔かつ迅速に終わらせることが求められますが、決して導入・稼働開始までがゴールではありません。その後のアフターフォローが、当社が最も力を入れている部分です。

これは、当社が展開しているRaaSの大きな特長となります。RaaSは月額利用料のサブスクリプションで機器を活用し、導入効果を出す(=ゴール)まで並走するサービスです。今回の「t-Sort」導入に際しても、このRaaSを十分に活用していただくことで無駄のない立ち上げと、その後のスムーズな運用が可能となりました。

また、澁澤倉庫様のWMS(倉庫マネジメントシステム)と、当社の庫内実行システム「+Hub」を連携させることにより、波動の大きな大量作業を限られたスペースで、効率的に対応することができるようになりました。BtoB業務のみならずBtoC(EC)業務への適用も可能となり、様々な情報集約と、そのフィードバックにも大きな期待が寄せられています。

 

4. 二人三脚での迅速な導入、今後は実運用データをもとにした改善も視野に



今回はロボットシステム単体ではない、フルパッケージの納入となりました。AGVソーター「t-Sort」導入に加え、倉庫スペースのレイアウト設計、架台の設計・製作・納品などを担当させていただいたかたちになります。当社では今回のような事例以外にも、各企業様のご事情やご希望、様々なオーダーに柔軟に対応させていただきます。

また、コンサルティング的な課題に対して、総括的なソリューションをご提供することが可能です。とくに自動化に際して、「どんなロボットを入れたらいいのだろう」「自社のオペレーションに適した設備は?」「自動化すること自体が、はたして必要なのか……」などのお悩みをお持ちの場合には、ぜひ一度ご相談ください。

澁澤倉庫様からはこの度の「t-Sort」導入に関して、迅速な企画提案や設計、現地3日間での立ち上げ、そしてRaaSにも大きくご満足をいただけた旨をお聞きし、担当者としてとても嬉しく感じています。

また、澁澤倉庫様には当社の提案の意図を正確に汲み取っていただき、随所でスピーディかつ的確なご判断をいただけました。澁澤倉庫様との二人三脚での取り組みあったからこそ、今回の迅速な導入が可能となりました。

澁澤倉庫様と当社は現在も緊密な連携のもと日々、物流業務の効率化に努めており、今後は実運用データをもとにした改善も視野に入れています。澁澤倉庫様のさらなるご発展のために、末長くサポートをさせていただきたいと願っています。

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今回は、澁澤倉庫様の導入事例をレポートさせて頂きました。

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