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【物流用語】4PLとは?3PLとの違いやメリット・デメリット、導入ポイントを徹底解説

作成者: +A 編集部|24/07/07 8:18

 

1.4PLとは?3PLとの違いを解説

4PLとは Forth Party Logistics の略称で、3PLに「荷主のロジスティクス戦略の立案・企画推進」といったコンサルティング要素が加わったものです。 

また、3PLは国土交通省によって以下のように定義されています。 

「3PL(third party logistics)とは荷主企業に代わって、最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を行い、かつ、それを包括的に受託し、実行することをいいます。荷主でもない、単なる運送事業者でもない、第三者として、アウトソーシング化の流れの中で物流部門を代行し、高度の物流サービスを提供しております。」

(引用元:国土交通省 

3PL・4PLともに、荷主企業から業務の一部を委託され、代行する「アウトソーシング」であることには変わりありませんが、次のような2つの違いがあります。

  1. 企業が請け負う業務の幅が異なる
  2. 利益発生の仕組みが異なる
それぞれ詳しく確認していきましょう。

1-1 企業が請け負う業務の幅が異なる

3PLは「物流業務」に限定して、戦略の企画立案・代行を請け負います。一方で4PLは物流に限らず、ロジスティクス全般やサプライチェーンマネジメントにおける戦略企画と、物流業務の代行を請け負います。 

「ロジスティクス」とは全材料の調達から販売・回収までの業務を管理することです。「物流」は商品を消費者の元まで届けるプロセスのことなので、物流はロジスティクスの一部だといえます。 

また「サプライチェーンマネジメント」とは、ロジスティクスよりさらに広い概念です。ロジスティクスは社内での業務管理を指す一方で、サプライチェーンマネジメントは社外も含めた業務管理を行います。 

3PLより4PLの方が、幅広い業務のマネジメント・コンサルティングを行っている」ということです。そのため、4PLの方がより根本的・総合的な問題を解決できます。 

例えば、物流業務の1つである「輸送」に問題があった場合は3PLで解決できますが、「原材料の調達」に問題がある場合は、4PLでないと解決できません。原材料の調達はロジスティクスには含まれますが、物流には含まれない業務だからです。 

3PLでは部分的な改善に留まってしまい、コストカット・業務効率改善が一定水準以上は達成できない可能性があります。

1-2 利益発生の仕組みが異なる

3PL・4PLともに委託を依頼する顧客から、業務を代行する企業に報酬が支払われますが、報酬が「どこから出るのか」が異なります。

3PLでは顧客の物流コストが、3PLを行う企業の「売上」になります。つまり、顧客の物流コストが少なくなる、ということは3PLを行う企業の売上が減る、ということでもあるのです。

顧客と3PLを行う企業には、利益相反の側面があります。3PLを行う企業からすると、売上減少につながる物流コスト削減案は出しにくいですよね。

一方で、4PLを行う企業の主な売上は「マネジメント・コンサルティング料」です。つまり、顧客の業務におけるコストカットや企業利益増大が実現すればするほど、4PLを行う企業の売上も増えます。

委託する荷主企業と4PLを行う企業の利益が合致しているので、より効果的な業務改善が見込めるでしょう。

4PLは3PLより広範囲・根本的な問題解決ができます。また、3PLが物流の現場を動かすことに重きを置くのに対して、4PLは経営に焦点を当てた業務改善を目指します。

 


2.4PLの3つのメリット

こちらでは、4PLを導入することで得られる3つのメリットを紹介します。

  1. コストが削減できる
  2. 業務効率が向上する
  3. 販路拡大できる

2-1 コストが削減できる

企業が4PLを導入すると、委託料金やコンサルティング料が新たに必要になります。一方で、削減できるコストは以下のとおりです。

  • 物流業務における人件費
  • マテハン・WMSなどの導入費や維持費
  • 物流以外の業務における余分なコスト

4PLを行っている企業はロジスティクスに関するノウハウが豊富なので、業務における問題点を見抜き、適切な解決策を提示できます。その結果、業務に発生している余分なコストを削減できるでしょう。

4PLを適切に利用すれば、導入に必要な費用を、削減できるコストが上回るので結果的にはコストを削減できます。

2-2 業務効率が向上する

4PLを行う企業は長年培ってきたノウハウを持ち、ロジスティクスの「プロフェッショナル」といえます。そのため、物流現場だけでなくロジスティクス全体の業務効率改善が可能です。

4PL導入によって期待できる効果には以下のことがあり、業務の問題点を解決して無駄を減らします。

  • ロジスティクス全体の客観的な分析
  • 潜在的な課題の発見・適切な解決策の提示
  • 在庫などの資産圧縮に関する改善策の提示
  • 人員配置におけるマネジメント

さらに、今までは物流業務に割いていた人員を別の業務に充てられるようになるので、業務効率向上・行える業務量の増加が見込めます。

2-3 販路拡大できる

4PLを効果的に導入すれば、販路を拡大できます。

コスト削減・業務効率向上が実現し、物流業務に割いていた人員・運営の拠点を別の業務に用いられるようになると、新たな販路の運営や、商品開発に注力できるようになるからです。

EC市場が拡大する中で、物流業務以外の運営に集中でき、販路拡大に踏み出せることは非常に魅力的ですよね。利益の拡大に直結する、重要な4PL導入のメリットといえるでしょう。

 

 

 

3.4PLの2つのデメリット

こちらでは、4PLの導入に伴う2つのデメリットを紹介します。導入前に、よく理解しておく必要があります。

  1. 自社にノウハウが蓄積しない
  2. 現場との連携が取りにくくなる場合がある

それぞれ詳しく確認していきましょう。

3-1 自社にノウハウが蓄積しない

4PLは、ロジスティクスに関するノウハウのコンサルティングを委託することです。そのため「自社で様々な方法を試行錯誤し、ノウハウを蓄積していく」という過程を経ることはなくなります。

「大きな失敗を防ぐことができる」という点ではよいかもしれませんが、将来的にはアウトソーシングせずに経営したいと考えている企業は、ロジスティクスに精通した人材が育てられずに困る可能性があります。

3-2 現場との連携が取りにくくなる場合がある

経営を担う本部と物流現場が異なる企業によって運営されることになるので、連携が取りにくくなる場合があります。双方の企業の情報伝達ルートや方法が複雑になると、迅速な連絡ができなくなるかもしれません。

4PLを導入して効果的に運用するためには、顧客と4PLを行う企業が綿密な連携を取ることが必要です。導入前に双方の企業で話し合いを綿密に行い、連携して業務を行うための準備を入念にしましょう。

 

4.4PLを導入する際の3つのポイント

こちらでは、実際に4PLを導入する際に気をつけるべき3つのポイントを紹介します。

  1. どの業務を委託するか明確にする
  2. 費用対効果を検討する
  3. 委託業者の得意分野を確認する

4-1 どの業務を委託するか明確にする

4PLを導入しても、業務のすべてを委託するわけではありません。そのため「どの業務を委託するか」「どの業務を自社で行うのか」ということを明確にしておかないと、経営がうまくいかなくなる可能性があります。

自社の業務における問題点を分析し、委託する業務を決めましょう。そして、社員に委託内容に関する認知を徹底させることが重要です。

4-2 費用対効果を検討する

費用対効果の検討が甘いと「せっかく4PLを導入したのに、以前より出費がかさんだ」ということになりかねません。

4PLを導入する前に改善できる業務があれば、改善を試みましょう。例えば、物流ロボットの導入は人員不足を解決する方法の1つです。「4PLを導入せずに改善できることはないか」と考えると、必要コストが増えてしまう事態を防げます。

自社の現状を分析し、4PL導入によって削減できるコストと、新たにかかるコストを細かく検討しましょう。さらに、導入する際には複数の企業に相談し「自社の希望する委託内容だと、料金の相場はどのくらいなのか」ということをリサーチすることが重要です。

4-3 委託企業の得意分野を確認する

4PLを行う企業にも、得意な分野や、反対にあまり経験のない分野があります。自社がアパレルを扱っているのに、食品しか扱ったことのない企業に4PLを依頼するのは不安ですよね。

さらに、輸送は国内を中心にしてきたのか、それとも海外輸送の経験もあるのか、ということを確認しましょう。今後「海外にも販路を広げたい」と考えている場合は、海外輸送が可能かどうか事前に4PLを行う企業に確認する必要があります。

自社が扱う商品や販路を得意とする企業に4PLを依頼した方が、より大きな効果を得られます。業務が変化する可能性も見越して、導入前の話し合いをしておくとよいでしょう。

 

 

 

 

5.まとめ

物流需要が増大し、作業量が増加している中で、4PLは非常に魅力的な業務形態です。効果的に利用できれば、大きなメリットを得られるでしょう。

一方で、4PLを導入する前に問題点を解決する他の手段を検討することも重要です。自社に最適な方法を選択することで、コストは最小限に抑えて業務を改善できます。

なお、自社に最適な方法を考えるには、倉庫内のオペレーションに精通した専門家の意見を聞くことが効果的です。

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