ソーターとは仕分けを自動化する機械のことであり、商品や搬送物を店舗や顧客・方面別などに分類します。短時間で大量の仕分けを行えるため、人手不足問題の解決策として有効です。
ソーターには、主に「コンベヤタイプ」「ロボットタイプ」の2種類があります。それぞれ特徴が大きく異なりますので、各ソーターの仕組みや違いを押さえておきましょう。
コンベヤタイプは、コンベヤで運ばれてきた商品や搬送物を、連続的に仕分けます。導入するためには場所を広く確保する必要があり、大型倉庫に適したソーターです。
ロボットタイプは、ロボットが1台づつ商品を運搬し、仕分けます。テーブルやパレットなどを使用して簡単に導入できるため、小規模の倉庫でも導入しやすいのが特徴です。
コンベヤ式ソーターにはさまざまな種類があり、機種によって仕分け方式が異なります。主な機種の特徴を解説しますので、違いを確認しておきましょう。
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(画像引用:トーヨーカネツ株式会社/ニューポジソータ®)
スライドシュー方式は、移動しながら搬送物を押し出して仕分けを行います。小物から長尺物まで、幅広い重さや形状の商品に対応でき、仕分け能力の高いソーターです。
搬送面にある押し出し機構により、衝撃を抑えてなめらかに搬送物を押し出します。袋物の搬送物や、割れ物の仕分けも安心です。
(画像引用:村田機械株式会社/クロスベルトソーター)
クロスベルト方式は、ベルトコンベヤで構成されたトレイで搬送物を運搬し、コンベヤを動かして仕分けを行います。搬送物自体が動かないので、摩擦を抑えた仕分けが可能です。
トレイに載るサイズに限られてしまいますが、小型から大型まで、ベルトサイズをカスタマイズして設計できます。
(画像引用:オークラ輸送機株式会社/ハイスピードソーター)
ポップアップ方式は、回転するホイールコンベヤなどの機構を、上下に動かして仕分けを行う仕組みです。なめらかに上下するため、瞬時にソフトな仕分けを行えます。ダンボールやビンなど、重量のある搬送物に適したソーターです。
(画像引用:オークラ運輸機株式会社/ディスクソーター)
ターンテーブル方式は、ローラーコンベヤを利用したターンテーブルで仕分けを行います。とてもシンプルな仕組みで、拡張性に優れたソーターです。ターンテーブルに載るサイズの搬送物に限られてしまいますが、方向を的確に定めて安定した仕分けを行えます。
(画像引用:オークラ運輸機株式会社/メディアソーター)
プッシャー方式は、商品や搬送物を押し出して仕分ける仕組みです。分岐点で押し出すタイプや、プッシャー方式で流れてきた商品を、指定区画で投下して仕分ける機種などがあります。書籍やCDの高速仕分けに特化した機種もあり、メーカーによってさまざまなソーターが開発されています。
(画像引用:三機工業株式会社/スウィープソータSPI)
ダイバータ方式は、コンベヤ上に設置した案内板(ダイバータ)をスイングさせて仕分けを行います。とてもシンプルな構造で幅広いサイズに対応できるため、運輸倉庫やトラックターミナルなど、継続して仕分けを行う場所での導入に適しています。空港でも利用されている仕分け方式です。
(画像引用:株式会社椿本チエイン/リニソートVS-E)
チルトトレイ方式は、ピース単位の商品の仕分けに適したソーターです。バーコードを読み込んだ商品をトレイに載せることで、行き先に合わせてトレイが傾き、商品をダンボールなどに投入します。検品と同時に仕分けが行えるので、ダブルチェックの必要がありません。
ロボットソーターは、下記のような特徴があります。各特長に関して詳しく説明します。
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コンベヤソーターは連続的に仕分けるため、高い処理能力を発揮し物量が多い倉庫に向いています。一方で物量が多くない場合には必要以上の能力を持つことになり、費用対効果は低くなります。
その点、ロボットソーターは、ロボットが運び仕分けるため、ロボット台数に応じて処理能力の調整が可能です。従って、物量が少ない倉庫でも、少ないロボット台数、すなわち少額の投資で導入が可能です。また、コンベヤと違い、レイアウトも柔軟に変えられるため、倉庫の形状・空きスペースを有効に活用し、導入する事ができます。
ロボットソーターは、1台づつのロボットは小型であり、コンベヤのようにアンカーで固定する必要がありません。また、通常の100Vのコンセントで設置可能です。
当社のt-Sortシリーズはパレットやテーブルなどを使用し数時間~数日で簡単に設置できます。
ロボットソーターは柔軟に周辺機器を組み合わせたり、レイアウトを変更することで、様々な商品やオペレーションに対応可能です。
高い処理能力が必要であれば、下記のような対応でコンベヤソーターと近い処理能力を実現することもできます。
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商品は扱いやすいアパレルなどのピースはもちろん、フリーローラーコンベヤをシュートに組み合わせることでケースの仕分けに対応することも可能です。
また、壊れやすい商品の場合は帆布製のハンモックをシュートに取り付けることで衝撃を抑える、といった工夫も多くの実例があります。
ロボットソーターは大型のコンベヤなどに比べると導入コストをグッと抑えられます。
さらにプラスオートメーションでは、物流向けのロボットソーターを、月額サブスクリプション(RaaS:Robotics as a Service)で提供しています。標準的な仕様であれば、初期費用はかかりません。
RaaSでは、ロボットソーター導入時の支援からシステムのインテグレーション、維持管理まで、すべてワンストップで提供しています。
こちらでは、ソーターを導入するメリットを4つ紹介します。
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ソーターは仕分けを間違えることがありません。仕分けミスの大幅な削減が可能です。
人の手で仕分けた場合、サイズ違いや色違い、ロット違いなど、さまざまなミスが発生する可能性があり、その後の検品が必須となります。
仕分けミスが起こらないソーターでは検品工程を省くことが可能です。
ソーターは一定の速度を保って効率よく仕分けを行うため、生産性が向上します。
時間のかかる仕分け作業を自動化することで、作業者によって生産性に差が出る心配もありません。大規模な倉庫や商品数が多い倉庫ほど、ソーターの効果を実感できるでしょう。
ソーターに仕分け作業を任せることで、人件費を大幅に削減できます。人手不足で悩んでいる倉庫では、その分ほかの業務に人員を配置できるようになるでしょう。
また、仕分け作業を自動化できれば、その分作業者にかかっていた負担が減ります。倉庫の自動化が進むほど離職率が低下し、新人採用にかかるコストも削減できるでしょう。
物流倉庫では、すべての業務をルール化し、マニュアルを作成することが大切です。ソーターの操作は比較的簡単なため、手順を覚えるまでに時間がかかりません。
自動化されていない倉庫では、仕分けの際に「人によって手順が違う」といった問題が発生し、ミスの原因につながる可能性があります。ソーターならそのような心配がなく、慣れない作業者でも安心です。
こちらでは、ソーターを導入するデメリットを3つ紹介します。デメリットになる部分を理解したうえで、導入を検討しましょう。
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ほとんどのソーターは、導入時に多額のコストがかかります。大掛かりになるほど、その費用はかさむでしょう。
なお、プラスオートメーションのRaaSサービスのようにロボットソーターをレンタルで利用する方法であれば、導入コストを抑えられます。導入する目的などを明確にし、自社に適したソーターを選ぶことが重要です。
どのソーターを導入する場合でも、仕分けを自動化するためにはレイアウトの変更が必要です。ロボットやコンベヤが場所を取るため、人が動けるスペースは少なくなります。場合によっては保管スペースも見直す必要があります。
また、それにともないオペレーションも大幅に見直さなければなりません。特にDC型の倉庫では、ピッキングをトータルピッキングにし、ソーターを導入する、というケースが多い為、システムを含めた大幅なオペレーション変更が必要となります。
確率は低いですが、システムトラブルが起こる可能性があります。最悪の場合、作業そのものが止まってしまうかもしれません。
万が一に備えて、トラブル時のマニュアルを作成することが重要です。メーカーに過去のトラブル事例を確認し、起こりうるトラブルを想定しておきましょう。
物流業界におけるソーターは、仕分け作業を自動化し時間のかかる仕分け作業を正確に一定の速度で行い、倉庫の効率化に貢献します。なおソーターは、主にコンベアタイプとロボットタイプがあり、それぞれ特徴が異なるため、この記事を参考に自社に適したタイプを見つけてみてください。
プラスオートメーションでは、ソーターや倉庫の自動化に関するご相談をお受けしています。
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