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物流倉庫におけるソーターとは?主な種類と特徴、導入メリットなどを解説

作成者: +A 編集部|23/02/23 23:01

この記事では、ソーターの種類や特徴を詳しく解説します。導入するメリット・デメリットについてもまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

1. ソーターとは?特徴の異なる2タイプを紹介

ソーターは仕分けを自動化する機械のことであり、商品や搬送物を店舗(顧客)別・方面別などに分類します。短時間で大量の仕分けを行えるため、人手不足問題の解決策として有効です。

ソーターには、主に「コンベヤタイプ」「ロボットタイプ」の2種類があります。それぞれ特徴が大きく異なりますので、各ソーターの仕組みや違いを押さえておきましょう。

 

(1) コンベヤタイプ

コンベヤタイプは、コンベヤで運ばれてきた商品や搬送物を、連続的に仕分けます。導入するためには場所を広く確保する必要があり、大型倉庫に適したソーターです。

 

(2) ロボットタイプ

ロボットタイプは、ロボットが1台づつ商品を運搬し、仕分けます。テーブルやパレットなどを使用して簡単に導入できるため、小規模の倉庫でも導入しやすいのが特徴です。

 

2. コンベヤ式ソーターの特徴を機種別に解説

コンベヤ式ソーターにはさまざまな種類があり、機種によって仕分け方式が異なります。

  1. スライドシュー方式
  2. クロスベルト方式
  3. ポップアップ方式
  4. ターンテーブル方式
  5. プッシャー方式
  6. ダイバータ方式
  7. チルトトレイ方式

主な機種の特徴を解説しますので、違いを確認しておきましょう。

 

(1) スライドシュー方式

(画像引用:トーヨーカネツ株式会社/ニューポジソータ

スライドシュー方式は、移動しながら搬送物を押し出して仕分けを行います。小物から長尺物まで、幅広い重さや形状の商品に対応でき、仕分け能力の高いソーターです。

搬送面にある押し出し機構により、衝撃を抑えてなめらかに搬送物を押し出します。袋物の搬送物や、割れ物の仕分けも安心です。

 

(2) クロスベルト方式

(画像引用:村田機械株式会社/クロスベルトソーター

クロスベルト方式は、ベルトコンベヤで構成されたトレイで搬送物を運搬し、コンベヤを動かして仕分けを行います。搬送物自体が動かないので、摩擦を抑えた仕分けが可能です。

トレイに載るサイズに限られてしまいますが、小型から大型まで、ベルトサイズをカスタマイズして設計できます。

 

(3) ポップアップ方式

(画像引用:オークラ輸送機株式会社/ハイスピードソーター

ポップアップ方式は、回転するホイールコンベヤなどの機構を、上下に動かして仕分けを行う仕組みです。なめらかに上下するため、瞬時にソフトな仕分けを行えます。ダンボールやビンなど、重量のある搬送物に適したソーターです。

 

(4) ターンテーブル方式

(画像引用:オークラ運輸機株式会社/ディスクソーター

ターンテーブル方式は、ローラーコンベヤを利用したターンテーブルで仕分けを行います。とてもシンプルな仕組みで、拡張性に優れたソーターです。ターンテーブルに載るサイズの搬送物に限られてしまいますが、方向を的確に定めて安定した仕分けを行えます。

 

(5) プッシャー方式

(画像引用:オークラ運輸機株式会社/メディアソーター

プッシャー方式は、商品や搬送物を押し出して仕分ける仕組みです。分岐点で押し出すタイプや、プッシャー方式で流れてきた商品を、指定区画で投下して仕分ける機種などがあります。

書籍やCDの高速仕分けに特化した機種もあり、メーカーによってさまざまなソーターが開発されています。

 

(6) ダイバータ方式

(画像引用:三機工業株式会社/スウィープソータSPI

ダイバータ方式は、コンベヤ上に設置した案内板(ダイバータ)をスイングさせて仕分けを行います。とてもシンプルな構造で幅広いサイズに対応できるため、運輸倉庫やトラックターミナルなど、継続して仕分けを行う場所での導入に適しています。空港でも利用されている仕分け方式です。

 

(7) チルトトレイ方式

(画像引用:株式会社椿本チエイン/リニソートVS-E

チルトトレイ方式は、ピース単位の商品の仕分けに適したソーターです。バーコードを読み込んだ商品をトレイに載せることで、行き先に合わせてトレイが傾き、商品をダンボールなどに投入します。検品と同時に仕分けが行えるので、ダブルチェックの必要がありません。

 

3. ロボットソーターの特徴を解説

ロボットソーターは、下記のような特徴があります。

  1. 小規模の倉庫でも導入可能
  2. 設置が簡単
  3. さまざまな仕分けを行える
  4. 導入コストを抑えられる

コンベヤ式ソーターとの違いをご確認ください。

 

(1) 小規模の倉庫でも導入可能

コンベヤソーターは連続的に仕分けるため、高い処理能力を発揮しますが、物量が多い倉庫でなければ必要以上の能力を持つことになり、稼働時間が短くなり、その分、費用対効果は低くなります。その点、ロボットソーターは、ロボットが運び仕分けるため、ロボット台数に応じて処理能力が変わります。従って、物量が少ない倉庫でも、少ないロボット台数、すなわち少額の投資で導入が可能です

また、コンベヤと違い、レイアウトも柔軟に変えられるため、倉庫の形状・空きスペースを有効に活用し、導入する事ができます。

 

(2) 設置が簡単

ロボットソーターは、1台づつのロボットは小型であり、コンベヤのようにアンカーで固定する必要がありません。また、通常の100Vのコンセントで設置可能です。
当社のt-Sortシリーズは、パレットやテーブルなどを使用し、数時間~数日で簡単に設置できます。

 

(3) さまざまな仕分けを行える

ロボットソーターは周辺機器を柔軟に組み合わせることで、様々な商品(ワーク)やオペレーションに対応した仕分けが可能です。

高い処理能力が必要であれば、ロボットを多段構成にし、投入口におけるスキャナを高性能なものに変え、ロボット台数も増やすことでコンベヤソーターと近い処理能力を実現することもできます。

ワークは扱いやすいアパレル等のピースはもちろん、フリーローラーコンベヤをシュートに組み合わせることでケースの仕分けに対応することも可能です。また、壊れやすい商品の場合は帆布製のハンモックをシュートに取り付けることで衝撃を抑える、といった工夫も多くの実例があります。

 

(4) 導入コストを抑えられる

ロボットソーターは小型で取り扱いがしやすいため、大型のコンベヤなどに比べると導入コストをグッと抑えられます。

さらにプラスオートメーションでは、物流向けのロボットソーターを、月額サブスクリプション(RaaS:Robotics as a Service)で提供しています。標準的な仕様であれば、初期費用はかかりません。

RaaSでは、ロボットソーター導入時の支援からシステムのインテグレーション、維持管理まで、すべてワンストップで提供しています。

導入コストを抑えられるのは、ロボットソーターだからこそできる取り組みです。

 

4. ソーターを導入する4つのメリット

こちらでは、ソーターを導入するメリットを4つ紹介します。

  1. 仕分けミスを削減できる
  2. 生産性が向上する
  3. 人件費を削減できる
  4. 操作が簡単でルール化しやすい

仕分け作業の自動化を検討している事業者様は、ぜひご確認ください。

 

(1) 仕分けミスを削減できる

ソーターは仕分けを間違えることがありません。仕分けミスの大幅な削減が可能です。

人の手で仕分けた場合、サイズ違いや色違い、ロット違いなど、さまざまなミスが発生する可能性があり、その後の検品が必須となります。

仕分けミスが起こらないソーターでは検品工程を省くことが可能です。

 

(2) 生産性が向上する

ソーターは一定の速度を保って効率よく仕分けを行うため、生産性が向上します。

時間のかかる仕分け作業を自動化することで、作業者によって生産性に差が出る心配もありません。大規模な倉庫や商品数が多い倉庫ほど、ソーターの効果を実感できるでしょう。

 

(3) 人件費を削減できる

ソーターに仕分け作業を任せることで、人件費を大幅に削減できます。人手不足で悩んでいる倉庫では、その分ほかの業務に人員を配置できるようになるでしょう。

また、仕分け作業を自動化できれば、その分作業者にかかっていた負担が減ります。倉庫の自動化が進むほど離職率が低下し、新人採用にかかるコストも削減できるでしょう。

 

(4) 操作が簡単でルール化しやすい

物流倉庫では、すべての業務をルール化し、マニュアルを作成することが大切です。ソーターの操作は比較的簡単なため、手順を覚えるまでに時間がかかりません。

自動化されていない倉庫では、仕分けの際に「人によって手順が違う」といった問題が発生し、ミスの原因につながる可能性があります。ソーターならそのような心配がなく、慣れない作業者でも安心です。

 

5. ソーターを導入する3つのデメリット

こちらでは、ソーターを導入するデメリットを3つ紹介します。

  1. 導入コストがかかる
  2. オペレーション・レイアウトの変更が必要
  3. トラブル時に作業が停止する可能性がある

デメリットになる部分を理解したうえで、導入を検討しましょう。

 

(1) 導入コストがかかる

ほとんどのソーターは、導入時に多額のコストがかかります。大掛かりになるほど、その費用はかさむでしょう。

なお、プラスオートメーションのRaaSサービスのようにロボットソーターをレンタルで利用する方法であれば、導入コストを抑えられます。導入する目的などを明確にし、自社に適したソーターを選ぶことが重要です。

 

(2) オペレーション・レイアウトの変更が必要

どのソーターを導入する場合でも、仕分けを自動化するためにはレイアウトの変更が必要です。ロボットやコンベヤが場所を取るため、人が動けるスペースは少なくなります。場合によっては保管スペースも見直す必要があります。

また、それにともないオペレーションも大幅に見直さなければなりません。特にDC型の倉庫では、ピッキングをトータルピッキングにし、ソーターを導入する、というケースが多い為、システムを含めた大幅なオペレーション変更が必要となります。

 

(3) トラブル時に作業が停止する可能性がある

確率は低いですが、システムトラブルが起こる可能性があります。最悪の場合、作業そのものが止まってしまうかもしれません。

万が一に備えて、トラブル時のマニュアルを作成することが重要です。メーカーに過去のトラブル事例を確認し、起こりうるトラブルを想定しておきましょう。

 

6. まとめ

物流業界におけるソーターは、仕分け作業を自動化する機械のことです。時間のかかる仕分け作業を正確に一定の速度で行い、倉庫の効率化に貢献します。

なおソーターは、主にコンベアタイプとロボットタイプに分類されます。それぞれ特徴が異なるため、この記事を参考に、自社に適したタイプを見つけてみてください。

プラスオートメーションでは、ソーターに関するご相談をお受けしています。

・自社に適したタイプが分からない
・ソーターを導入すべきか分からない
・どの程度効果を得られるのか知りたい
・人手不足で作業が追いつかない
・コストをかけずに自動化を実現したい
・まずは話だけでも聞いてみたい

など、お悩みやご不明な点がありましたら、下記のフォームよりお気軽にお問い合わせください。