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物流倉庫の見積もりで必要な情報や比較ポイント|費用の項目も解説

作成者: +A 編集部|23/04/14 6:01

業務委託先の物流事業者は3PL(サードパーティロジスティクス)事業者とも言いますが、様々な物流サービスを一部あるいは全部委託することができます。

しかし各業者のサービスは各社で異なるため「どのような費用がかかるのかわかりづらい」「何を基準に選べばいいのか」と、なかなか踏み切れない企業も多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、物流倉庫の費用について解説するとともに、見積もりを比較するときに大切なポイントを紹介します。委託先選びで悩んでいる企業は、ぜひ最後までご覧ください。

 

1. 物流倉庫の費用は固定費と変動費に分類される

物流倉庫にかかる費用は、固定費と変動費に分類されます。具体的にどのような費用が必要になるのか、各費用の詳細を解説します。

(1) 固定費

固定費とは、出荷量に関わらず、毎月一定でかかる費用のことです。継続的にサービスを利用する限り、支払い続ける必要があります。

・倉庫保管料

倉庫保管料は、保管に必要な利用料金(賃料)です。坪単位・ラック単位・パレット単位など、物流倉庫によって単位が異なります。地域による費用の差も大きいため、拠点を考慮することも大切です。

・システム利用料

システム利用料は、物流業務の最適化に必要な倉庫管理システム(WMS)や在庫管理システムの利用にかかる費用です。ハンディターミナルや送り状を発行するプリンタなど、保守費用も含まれているケースが多くあります。

・業務管理料

業務管理料は、商品管理全般にかかる費用です。システム利用料とは別に発生します。なかには、出荷量によって割引制度を導入している倉庫もあります。

・光熱費

光熱費は、食品や医薬品など、温度管理が必要な商材で発生する費用です。オプションや保管料に含まれる場合もあるため、きちんと内訳を確認しておきましょう。

(2) 変動費

変動費とは、入庫や出庫、流通加工など、作業が発生するたびにかかる費用のことです。作業内容ごとに料金が設定されているケースが多く、作業量で毎月増減します。

・デバンニング料

デバンニング料は、トラックやコンテナから荷物を取り出す作業(デバンニング)にかかる費用です。フォークリフトなどのマテハン機器を用いるのが特徴で、荷物が多い場合は複数人で作業を行います。

・入庫料

入庫料は、送られてきた荷物を倉庫に受け入れ、入庫検品や仕分けを行うときにかかる費用です。ダンボールやパレットなど、入庫したときの状態によっても費用が異なるケースがあります。

・検品料

検品料は、商品にキズや破損がないかなど、検品にかかる費用です。チェックする項目や方法によって金額が異なります。

・出荷・ピッキング料

出荷・ピッキング料は、出荷時のピッキング作業にかかる費用です。チラシなどの同梱物がある場合は、プラスで料金が加算されるケースがあります。

・梱包料

梱包料は、出荷時の梱包作業にかかる費用です。

  • ダンボールなどの資材
  • 緩衝材
  • 納品書の発行費用
  • 送り状の発行費用

上記のような費用が含まれており、熨斗やラッピングなどの付帯作業がある場合は、別途で料金が発生するケースもあります。

・流通加工料

流通加工料は、ラベル貼りやタグ付け、商品の詰め合わせといった流通加工を行ったときに発生する費用です。作業内容やかかる時間によって料金は大きく変動します。

・配送料

配送料は、お客様に荷物を届けるために、運送会社に支払う費用です。配送サイズによって料金が変動します。物流事業者によっては自社でトラックを備えている倉庫もあるため、事前に確認しておきましょう。

 

2. 精度の高い見積もりをもらうために必要な情報

物流倉庫の見積もりをもらううえで、精度の高さが重要です。コストを正確に把握するためには、以下の情報をまとめておくと良いでしょう。

  • 商材
  • 月間出荷件数
  • ピース数
  • SKU数
  • 入荷数
  • 在庫数
  • 繁忙期・閑散期のデータ
  • 配送サイズ別の比率
  • 現在の保管坪数
  • 付帯作業
  • 抱えている課題 など

ときには思わぬ商品トラブルにより、イレギュラーな検品対応が必要になるケースもあります。起こりうるトラブルなども洗い出し、さまざまなケースを想定したうえで見積もりをもらうことが重要です。

 

3. 倉庫の見積もりを比較するときに大切な5つのポイント

物流事業者によって見積もりの出し方が異なり、料金に差があります。だからこそ、信頼できる倉庫を見極める力が重要です。

こちらでは、倉庫の見積もりを比較するときに大切なポイントを5つ紹介します。

  1. 自社の情報や要望を詳しく伝える
  2. 同じ条件で並べて比較する
  3. 希望する作業への対応力を考慮する
  4. 柔軟性や提案力を見極める
  5. 事業拡大の可能性を考慮する

倉庫選びで後悔しないためにも、じっくりと比較して選びましょう。

(1) 自社の情報や要望を詳しく伝える

自社商品で発生する作業やこだわりなど、自社の情報や要望を具体的に伝えることが重要です。きちんと伝えておかないと、「思ったよりも費用がかかってしまった」といった事態になりかねません。

例えばアパレル商品でブランドのタグ付け作業が発生する場合、Tシャツ・ブルゾンなどの種類で大きく素材が異なるため、1枚あたりの作業時間も変わってきます。元々同じ単価で見積もりを出していても、「こんなに時間がかかるなんて聞いていない」という理由であとから値上げ交渉されるケースも少なくありません。

そのような事態にならないためには、見積もり時に具体的な情報を伝えたうえで比較することが大切です。あらゆるケースを想定してまとめておきましょう。

(2) 同じ条件で並べて比較する

物流事業者の見積もりは、各社で記載事項が異なる場合があります。各事業者の見積もりを比較する際は、同じ条件で並べて比較することが大切です。

例えば「出荷料〇〇円」という表記になっている場合、ピッキング・梱包でそれぞれいくらかかっているのか明細を出して比較する必要があります。時間と労力がかかりますが、同条件で比較するのは重要な作業です。

なお、委託する時期やタイミング、立地条件によっても費用は変動します。見積もりをもらう際は「〇月から委託した場合」など、同じ条件で揃えておきましょう。

(3) 希望する作業への対応力を考慮する

物流事業者によって作業の対応幅が異なります。イレギュラー対応を含めてどのような作業が必要となるのかきちんとまとめ、見積もりと同時に対応可否を比較することが重要です。

その際、過去の実績もあわせて比較すると良いでしょう。自社商品と同様の取り扱い実績がある倉庫なら、委託する側も安心です。

なかには特定のジャンルに強い倉庫や、地域に密着している倉庫もあります。細かくて管理が複雑な商品であれば、自動化が進んでいる倉庫に委託することで大幅な効率化が見込めるでしょう。

(4) 柔軟性や提案力を見極める

柔軟性や提案力を見極めることも、比較するときに大切なポイントとなります。繁忙期にも安定した出荷を行える倉庫であると安心です。

また、ただ倉庫で保管や出荷を行うだけでなく、効率化やコスト削減につなげるためにどのような提案をしてもらえるのかも確認しておきましょう。積極的に提案してくれる物流事業者であるほど、自社商品を安心して任せられます。

(5) 事業拡大の可能性を考慮する

将来的に事業拡大を考えているなら、その旨を先に伝えておきましょう。保管場所や人員などを確保できるか、各倉庫の状況を事前に確認しておくことが目的です。

その際、物流拠点がどのエリアにあるのかもチェックしておくと良いでしょう。自社が全国展開を考えているのであれば、同じく全国展開してる物流事業者を選んだほうが、将来的に配送コストなどを抑えられます。

 

4. まとめ

物流倉庫の見積もりは、事業者によって記載事項や料金が異なります。精度の高い見積もりをもらうためには、自社の情報や必要な作業を細かくまとめておくことが重要です。

その際、作業の対応幅や柔軟性、提案力もチェックしましょう。見積もりを項目ごとに細分化し、同じ条件で並べて比較することが大切です。

プラスオートメーションでは、物流業務の効率化に関するご相談もお受けしています。なかにはアウトソーシングをしないほうが効率化につながるケースもあるため、不安な場合は当社にご相談ください。

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