RPAにより、人間がおこなっているさまざまな業務を効率化できます。具体的にどんなメリットがあるかを知ることで、導入すべきか検討できるでしょう。
今回は、RPAにより自動化できる業務の例やツールを選ぶポイントを解説します。業務の効率化にお悩みの倉庫担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。
RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」を略したもので、ロボットシステムにより業務を自動化する技術を指します。
ロボットという名称ですが、実際はソフトウェアを利用した技術も含まれます。RPAツールを利用し、パソコン上でデータを管理できる業務の自動化が可能です。
近年、働き方改革や労働人口の減少などにより、人間がおこなっている作業の一部を自動化することが推奨されています。定型業務を自動化するRPAを取り入れることにより、人材をしかるべき場所に配置できるため、生産性の向上が見込めるでしょう。
RPAで自動化できる業務の例を、7つの項目に分けて解説します。
受注・在庫管理受注と在庫管理は、別のシステムで管理していることが一般的です。RPAでは、複数のシステムにわたる業務も自動化できます。
たとえば、システムに入力された受注データをCSV形式でダウンロードし、そのファイルから商品管理システムに反映させて在庫をカウントする、といった方法でRPAの導入が可能です。
手作業でおこなう場合、いくつものシステムにまたがる作業になるため、多くの手間がかかってしまうでしょう。RPAを導入することにより、ミスを無くして大幅に手間を省けます。
RPAシステムに入力された注文データから、請求書の発行が可能です。作成する日付を指定しておけば、毎月決められた時期に請求書を作成・プリントアウトまでが自動化できます。機械に任せることで、数字の入力ミスがなくなるというメリットがあります。
また、毎月発生する入金確認業務もRPA化が可能です。たとえば、ネットバンキングか入金リストをCSV形式でダウンロードし、入金があった顧客をシステム上で入金済みにするといった方法があります。
このような仕組みは、見積書の発行や契約書作成にも利用可能です。
顧客情報は、Excelファイルや名刺管理ソフトなど社内で複数のシステムに登録していることが多いでしょう。
RPAを利用すれば、顧客情報を専用システムに入力するだけで複数のシステムに自動的に登録できます。これまで5つのシステムにそれぞれ入力していたとすれば、時間を5分の1に減らすことが可能です。
また、システムに入力する際に相違が出てくるケースも防げるので、正確な顧客情報を保管しておけるメリットもあります。
従業員の勤怠管理は、人事の担当者が手作業で行っているところもあるでしょう。毎月発生する勤怠管理業務は、RPAシステムで自動化するのがおすすめです。
勤怠管理を手動で行っているなら、まず動体管理システムの導入が必要です。動態管理システムは、ドライバーの走行ルートや位置情報などをチェックできるもの。動態管理システムを導入し、勤怠システムと連携させれば勤務時間や残業時間の集計、有給休暇の残日数などを簡単にチェックできます。集計データを元に給与を計算して明細書を作るまでの作業も、RPAシステムに任せられます。
フォームに問い合わせがあったときに、RPAで自動的に返信を設定しておくことが可能です。また、問い合わせ内容を振り分けて、各部門に自動的に振り分けることもできます。
ユーザーにとって、問い合わせた内容に早く返答をもらえると安心するものです。返信漏れもなくなり、顧客満足度の向上につながるでしょう。
RPAでは、インターネット上の情報を集めることもできます。たとえば、SNSから自社商品に関する口コミが寄せられたときに通知するシステムを利用できます。いい口コミ・悪い口コミに自動的に振り分けることも可能です。口コミを最終的に確認するのは人間ですが、コメントを1つずつ探す手間が省けるのでチェック業務のスピードを早められるでしょう。
そのほか、他社の商品を定期的にチェックして価格を調査するといった使い方もできます。データ化されていれば、人の手でおこなわなければならない業務はかなり減らせます。
メール配信業務は、RPAにより自動化が可能です。個別にメールの文面を変えて送るのは難しいですが、定型文を送るのに役立ちます。たとえば、イベントの告知や、就活生への説明会の日程連絡などが挙げられます。
人の手で1件ずつメールを送るとなると、送付の遅れや漏れ、入力ミスが発生することもあるでしょう。自動化しておけば、決まった時間に確実にメールを送れるのでミスを減らすことにもつながります。また、担当者の業務負担も大幅に軽減できるでしょう。
RPAを活用すれば、さまざまな業務を自動化できます。しかし、RPAはどんなものにも対応できるわけではなく、自動化が難しいものもあります。
ここでは、RPAに任せるのが困難な3つの業務を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
RPAはAIとは違います。自分で判断し、その場の状況に合わせて臨機応変に対応することはできません。
あらかじめプログラムされている作業以外はできないため、もしイレギュラーな出来事がおこったら、エラーにより作業が止まってしまうケースもあります。もしエラーでストップしてしまったときは、担当者に通知が届くように設定しておけば業務が滞る前に早い段階で気づけるでしょう。
RPAは単純作業向きで、複雑な作業には向いていません。人間がその場で判断する項目をすべて自動化しようとすると、エラーが起こりやすくなります。
ルールの変更や修正が多い作業は、RPAに任せるよりも人間がおこなったほうが早いでしょう。作業を効率化したいなら、作業の中でも手順がほとんど変わらない単純作業のみをRPAで自動化するのがおすすめです。
RPAは、テキストデータを読み込むことが可能です。しかし、人によって書き方が違う手書き文字を読み取ることはできません。
もし、手書きデータを読み取りたいなら、いったん人間の手によってデータ化する必要が出てきます。その際には、人為的なミスが出る可能性がある点に注意が必要です。
RPAツールを導入すれば、これまで手作業でおこなっている煩雑な作業を自動化できます。しかし、RPAツールにはさまざまな種類があるため、選び方に迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、3つの選び方のポイントを解説します。
RPAシステムは、自社でも簡単に指示を出したりメンテナンスしたりできるものを選ぶのがおすすめです。
RPAに指示を出すには、まず覚え込ませる必要があります。システムの変更があれば、改めて指示出ししなければなりません。また、システムが止まると業務が滞ってしまうので、定期的なメンテナンスも必要です。
自社で完結できるシステムを選んだほうが、導入後の運用が楽になります。
あまりにも複雑なシステムを選ぶと、ちょっとした変更も外部に依頼しなければならず、手間も費用もかかってしまうでしょう。
RPAツールには、おもに3つの形式があります。それぞれ特徴が異なるので、自社に合う形態のものを選ぶことが大切です。3つの形態と特徴は、以下のとおりです。
自社にとって、RPAにどんな作業を任せたいのか、どれくらいの範囲を自動化したいのかを洗い出し、目的に合うプランがあるツールを選ぶのが良いでしょう。
お試しで使ってみたいのに、フルサービスしか利用できない場合、導入コストが無駄になってしまう可能性があります。また、将来的には全社への導入を考えているのに、対応範囲が狭く対応しきれないツールを選ぶと、新たに契約し直す必要が出てくるでしょう。
企業によってRPAツールに求める内容は異なるため、適切なプランもそれぞれ違ってきます。もし、自社でツールを使いこなすのが困難だと感じたら、導入支援サービスがセットになっているプランを選ぶと安心です。
まずは自社でRPAツールをどのように導入するのか、誰が担当するのかなどをじっくり話し合うとよいでしょう。
RPAを導入すれば、さまざまな業務を自動化できます。これまで手作業でおこなっていた業務も、一部を自動化することで担当者への負担を軽減できます。
RPAツールは、単純な作業を得意とする反面、自分で考えて臨機応変に対応するのは不得意です。そのことを踏まえて、業務が効率よく進められるようにツールを導入することが大切です。
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