物流品質とは、物流に関わるサービスと作業の質を指す言葉です。品質が良くないと、誤出荷などの物流トラブルに発展する可能性があります。
そのため、物流品質は顧客との信頼関係にも関わる問題です。物流品質を向上させるためには、物流品質を適切に管理する「物流品質管理」の力が重要となります。
物流品質管理を行う際は、基準や目標となる数値などを設定し、下回らないように管理していくと良いでしょう。限られたコストの中で、業務のシステム化やマテハン機器の導入など、優先順位を決めて改善していくことが大切です。
こちらでは、物流品質管理のチェックポイントを6つの機能別に紹介します。
輸送は、商品を移動させることです。トラック・鉄道・航空機など、適した手段を選択する必要があります。物流品質管理を行う際は、二酸化炭素の削減など、環境に配慮した取り組みも重要です。
【チェックポイント】
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保管は、物流倉庫などに商品を預かり、在庫として留めておくことです。生産者と消費者の時間的なギャップを埋める役割があります。倉庫や物流センターにはさまざまなタイプがありますので、取り扱う商材に合わせて最適化されているか確認しましょう。
【チェックポイント】
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荷役は、入庫から出庫までの一連の流れの総称です。積み降ろし・運搬・入庫・出庫・仕分け・保管・ピッキングなど、幅広い作業に携わります。作業に関わる品質管理だけでなく、荷役事故への対策を整えることも重要です。
【チェックポイント】
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包装は、商品の状態を保護する作業です。適切な梱包資材や緩衝材を使用できているかで、顧客満足度も変わってきます。コスト面を考慮しながら、種類やサイズだけでなく、強度や形状も確認することが大切です。
【チェックポイント】
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流通加工は、ラベル貼り・値段付け・袋詰め・セット組み・ラッピングなど、お客様に届ける前の商品に手を加える作業のことです。商品に付加価値をつけることを目的としています。流通加工時のミスは誤出荷にもつながるため、高い正確性が求められる作業です。
【チェックポイント】
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情報システムは、倉庫管理システム(WMS)や輸配送管理システム(TMS)などを用いて物流に関わる一連の作業を管理し、効率化することです。倉庫全体の効率化に関わるので、商材に適した設計になっていることが品質管理のポイントとなります。
【チェックポイント】
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こちらでは、物流品質の向上につながる改善策を9つ紹介します。倉庫全体で取り組むべき改善策となりますので、ぜひ参考にしてみてください。
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誤出荷などのミスをゼロにすることは難しいことです。しかし、目標やガイドラインを定めることで品質管理への意識が高まり、目に見えて変化が分かるようになります。
品質目標を設定する際は、「誤出荷は納品数の〇%以下に抑える」「袋詰め作業の生産性を〇〇%向上させる」など、具体的な数値を定めましょう。
ガイドラインにおいては、「毎月〇日に各部署の責任者でミーティングを実施する」「荷役作業の事故防止のために毎月危険予知訓練(KYT)を実施する」など、品質を保つための行動を決めておくことが大切です。
各部署で作業マニュアルを作成し、指導および徹底することで、物流品質の向上につながります。作業手順がルール化されていない倉庫ほど、大幅な改善が見込めるでしょう。
ルール化されることで作業手順が統一され、人によってやり方が違うという心配がありません。新人教育もしやすくなります。
なお、マニュアルは定期的に見直し、現場の声を聞いて最適化していくことが大切です。
情報共有と注意喚起を徹底し、作業者全員に伝わる仕組みを整えましょう。作業に関わる情報共有だけでなく、トラブルが発生した際の原因もきちんと伝えることが重要です。
なかには「大きなトラブルにならなかった」などの理由で、一部の担当者のみでミスの対応を済ませ、全体に報告しないケースもあります。物流品質を向上させるためには、きちんと発生した原因を究明し、注意喚起することが大切です。
物流倉庫内で共通言語を使用することも、品質向上につながる改善策の1つです。倉庫内でのあいさつや電話応対時の第一声などを統一することで、顧客への印象が変わってきます。
例えばお客様が物流倉庫の見学に来た際に、「こんにちは」ではなく「いらっしゃいませ」と挨拶を統一している倉庫もあります。電話に出るときの第一声は必ず「お電話ありがとうございます」にするなど、些細なルール化で倉庫のイメージがグッと変わるでしょう。
また、共通言語の使用は、言い方の違いによる伝達ミスを防ぐうえでも有効な対策です。物流に関わる言葉の意味を理解してもらい、作業者一人ひとりの認識を高めていきましょう。
トレーサビリティとは、商品の生産から消費、あるいは廃棄までの流れを追跡可能な状態にすることです。商品にトラブルがあった際、すぐに追跡できる状態にしておくことで、早期解決につながります。
トレーサビリティの実現は、特にBtoCが中心になるEC通販事業において重要です。例えば製品に何らかの不具合が見つかって回収が必要になった場合、早急に発送先を追跡できれば顧客への被害を最小限に抑えられます。物流品質を保つうえで欠かせない仕組みです。
5Sは「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の総称です。職場環境の維持や改善に用いられるスローガンであり、物流品質管理においても有効な施策となります。
5Sによって倉庫内をきれいな状態に保てれば、商品を探しやすくなり、汚れや破損から守れます。業務効率を改善し、誤出荷を減らす取り組みとしても有効です。
倉庫内のレイアウトを見直し、作業しやすい導線になっているか、無駄な保管コストが発生していないかなどを確認しましょう。作業効率と保管効率のバランスを考え、繁忙期や閑散期、返品商品の保管場所などを考慮することが大切です。
レイアウトは一度設計するとなかなか変更できません。現場の声を聞き、現状の課題と最終目的を明確にすることが、失敗しないためのポイントです。
KPIは「Key Performance Indicator」の略称で、「重要業績評価指標」を意味する言葉です。物流コスト・品質・生産性など、業務を進めるうえで用いるさまざまな定量的なデータ(指標)等を指します。
物流KPIを導入することで、以下のようなメリットを得られます。
業務プロセスの良い点・悪い点を可視化することで、現状の把握が可能です。また、荷主が物流事業者を客観的に評価しやすくなり、安心して商品を任せられるようになります。
KPIについての詳しい説明は、国土交通省の「物流事業者におけるKPI導入のあり方に関する検討会・KPI導入の手引き(最終版)の公表について」に貼付されている資料等でご確認ください。
物流品質を保つためには作業者の確保が重要ですが、人手不足の問題はなかなか改善が難しい問題です。人手不足の状況が続くと、作業が間に合わなかったり、忙しさでルールが守られずに誤出荷が増えたりする可能性があります。
人手不足が深刻化している物流倉庫ほど、自動化を検討するのも品質向上につながる改善策です。近年では、あらゆる問題の解決策として、自動化に切り替える倉庫が増加しています。
なお、物流倉庫の自動化は導入コストがかかると思われがちですが、当社プラスオートメーションでは初期費用ゼロでロボットを提供しています。
月額使用料のみのサブスクリプションで、導入効果を出すまで並走するサービスです。導入コストの問題で自動化に踏み切れない物流事業者は、ぜひ定額制サービスをご検討ください。
物流品質の改善に努めることで、物流コストの削減や顧客満足の向上につながります。具体的にどこを見直したらいいのか、この記事を参考に物流機能別にチェックしてみましょう。
なお、物流倉庫全体で品質向上につながる改善策を考えることも重要です。さまざまな角度から業務を見直し、従業員全体の意識を高めていく必要があります。
プラスオートメーションでは、物流品質の向上に関するご相談もお受けしています。
・改善すべき部分が判断できない
・具体的な施策が分からない
・マニュアルが定まらない
・作業をより効率化したい
・自動化についてもっと知りたい
・まずは話だけでも聞いてみたい
など、お悩みやご不明な点がありましたら、下記のフォームよりお気軽にお問い合わせください。