AMRがどのようなロボットなのか理解しておきましょう。同じ物流ロボットであるAGVとの違いについても解説します。
AMRは「Autonomous Mobile Robot」の略称で、自律走行搬送ロボットのことです。人の力を必要とせず、自動で運搬を行うロボットのことを指します。
AMRは搭載されたセンサーやカメラからロボット自身で周辺情報を検知し、人や障害物を避けて走行することが可能です。人と一緒に働くために開発されたロボットとして、「協働型搬送ロボット」とも呼ばれています。
ロボットと聞くと大掛かりで導入までに時間がかかるイメージですが、AMRは小規模の倉庫でもすぐに導入できるのが特徴です。
AGVは「Automatic Guided Vehicle」の略称で、無人搬送車を意味します。搬送ロボットとしての役割はAMRと同じですが、走行方式が大きく異なるのが特徴です。
AGVは人によって決められたルートを走行することしかできないため、専用ルートを確保する必要があります。しかし、AMRはロボットが走行できる幅さえ確保できれば、既存のレイアウトを変更する必要がありません。
また、AGVのガイドは通常床面に設置する事になります。フォークリフトをはじめとする倉庫内の運搬機器の走行の妨げになったり、それにより剝がれてしまったり、という事がAMRでは起きません。
従来は無人搬送と言えばAGVが主流でしたが、2018年頃からAMRの開発が進み、徐々に導入が進んでいます。この状況から、AMRは「次世代AGV」とも言われているのです。
こちらでは、AMRを導入する5つのメリットを紹介します。
それぞれ確認していきましょう。
AMRを導入することで物流倉庫を省人化でき、主に出荷作業の人手不足を解消できます。作業者が足りないことで起こる問題はさまざまです。
ECサイトの普及により注文数が増えた結果、物流倉庫の激務化が進んでいます。しかし、新しい作業者を増やそうと思っても、なかなか思うように人が集まらないのが物流業界の抱える問題の1つです。
人と協働できるAMRは運搬作業をサポートしてくれるため、タイムロスになりがちな移動時間を削減できます。今まで人が行っていた作業をロボットに任せることで、作業全体に余裕をもてるようになるでしょう。
また、AMRに限らず倉庫全体の自動化を見直すことで、省人化を意識した更なる改善が見込めます。
今までピッキングから梱包まで1人の作業者が行っていたのであれば、AMRに運搬を任せることで無駄な移動時間がなくなり、作業フローの細分化が可能です。ピッキング・検品・梱包などの作業担当者を分けることで作業を効率化し、生産性の向上にもつながります。
また、新しい作業者を採用した場合、新人教育にかける時間も必要です。商品や取引先によって出荷ルールが異なる場合もあるため、慣れた作業者でも細かいルールをなかなか覚えられないこともあります。
倉庫の自動化が進めば、細かくて難しい手順を覚える必要がありません。AMRをはじめ、物流ロボットは誰でも比較的早く操作を覚えられるのがメリットです。新人教育にかかる時間だけでなく、作業全体の効率化につながります。
AMRを導入する際にコストはかかりますが、物流倉庫の自動化を進めることで、長期的に見てコストの削減につながります。
特に人件費を中心としたコストを大幅に削減できるうえに、今までよりも効率よく作業を進められるのは大きなメリットです。
また、AMRはロボットが通れる幅さえ確保できればレイアウトを変えずに導入できます。出荷数が多い部署に導入する場合も、既存のオペレーションに支障をきたす心配がありません。
顧客との信頼を築くうえで、安定した品質を保つことは重要です。AMRを導入することで作業フローを細分化できれば、それぞれの作業に専念でき、ヒューマンエラーの軽減につながります。
また、事業の拡大で新しい作業者を何人も雇う場合や、新規の取引先の商品を取り扱う場合、慣れない作業で出荷ミスが起こりやすくなります。そういったタイミングで物流ロボットの導入を検討することも、品質を安定させるための手段です。
AMRに運搬を任せることで、作業者の負担を大幅に軽減できます。
台車が入り込めないような狭い場所や、多くの人が密集するような場所で作業する場合、重い荷物を手で抱えて移動しなければならないこともあります。それが原因で腰などを痛めるケースも少なくありません。
国土交通省が発表した「物流施設における労働力調査」の報告書では、労働力への問題が大きく取り上げられています。ECサイトの普及で需要が高まる反面、作業者の高齢化が物流業界を取り巻く課題の1つとなっているのです。
物流倉庫の自動化を進めることで高齢化対策にもなり、作業者が働きやすい環境を整えることができるでしょう。
AMRを導入することで多くのメリットを得られますが、デメリットもあります。
それぞれ確認しておきましょう。
AMRを導入するうえで、大きなデメリットとなるのがコスト面です。
上記以外にも、導入するロボットによってさまざまな費用が発生します。長期的に見るとコスト削減につながりますが、初期の導入費用は多額です。
ロボット本体の費用は、AGVであれば1台あたり100万円程度のものが多く出ていますが、AMRはその数倍、中には1000万円を超えるものもあるようです。一般にはまだまだ高価なロボットになります。
また、AGVと異なり、ガイド無しで自律運転する為にロボットを制御するネットワーク環境は必須となります。現在はwi-fi規格で走行するものが多いので、走行エリアをカバーするwi-fi環境を整備する必要があります。
長期的に見ると人件費などのコスト削減に繋がりますが、導入当初は多くの費用がかかると考えておきましょう。
なおプラスオートメーションでは、初期費用無料でロボットを提供しています。月額使用料のみのシンプルな料金体系となっていますので、短期での導入も可能です。現場の最適化を考慮して導入ポイントを提案しますので、お気軽にご相談ください。
AMRを導入するためには、ロボットが通れるスペースを確保する必要があります。いくら周辺状況を判断して人や障害物を避けて走行できるからといって、通路に商品が煩雑に置かれている状態だと効率よく走行できません。
整理整頓を心がけ、できる限りロボットがスムーズに走行できるようにしておきましょう。人と協働するうえで、お互いが動きやすいレイアウトにできることが理想です。
また、ロボットのサイズ+数cm(ロボットにより異なる)のクリアランスが無いと走行は出来ない為、最低限の通路幅の確保は必須となります。ロボット毎に定められていますので、導入前に倉庫のレイアウトと合致するか、が重要なポイントとなります。
こちらでは、AMRを導入する際に確認すべき3つのポイントを紹介します。
導入してから後悔しないように、必ず確認しておきましょう。
AMRを導入する前に、ロボットと作業者の役割分担を明確にした作業フローを作成しておくことが大切です。
AMRは人と協働する目的で開発されたロボットであるため、ただピッキングをして荷物を運搬するだけでなく、人との関わり方も重要になります。人の移動距離が減る分、ロボットが到着するまでの待機時間が増えたら非効率的です。
どこからどこまでの作業をAMRに任せることで効率アップを狙えるのか、人とロボットが無駄なく作業を行える仕組みを整えておきましょう。
めったに起こることはないとされていますが、ロボット自体に何らかのトラブルが起こる可能性もあります。そうなったときは専門的な対応が必要です。
突然の事態に慌てないためにも、トラブルが起きたときのマニュアルを作っておく必要があります。過去のトラブル事例があれば、事前に確認しておきましょう。
AMRが1台使えなくなるだけで出荷作業に支障をきたします。そうなったときのサポート体制が整っているかどうかも、ロボットを導入する際の選定ポイントです。
AMRの導入を開始したら、定期的に導入効果を検証し、より効果を得られるための改善を行っていきましょう。実際にAMRと協働する作業者の意見を聞くことも重要です。
この検証ができていないと、期待する効果を得られない可能性があります。導入してからイメージとのズレを感じることもありますので、AMRの可動範囲や導入台数、倉庫のレイアウトなどの見直しも必要です。
なお、導入コストのかかるロボットは自動化設備の投資と思われがちですが、プラスオートメーションでは月額利用料のサブスクリプション型のサービスとして提供しています。ロボットの導入効果が出るまでサポートする体勢を整えていますので、効果の検証まで当社にお任せください。
こちらでは、プラスオートメーションが提供するAMRロボット「ラピュタAMR」を紹介します。
ラピュタAMRはピッキング作業をサポートするロボットです。最大40kgまでの荷物を運搬でき、幅が90cm以上の通路であれば導入できます。
オーダーを読み込んでから最適経路を計算し、ロボットが商品の保管場所まで自律移動する仕組みです。既存のオペレーションを止めずに短期間で導入できます。
初心者でも操作しやすいUI設計が特徴のロボットです。
今回は、AMR(自律走行搬送ロボット)について解説しました。AMRを導入することでさまざまなメリットを得られますが、期待する導入効果を実感するためには検証と改善を繰り返すことも大切です。
プラスオートメーションでは、導入効果が出るまでしっかりとサポートいたします。初期費用無料、月額使用料のみでAMRロボットの導入が可能です。
倉庫のレイアウトに合わせた最適台数を提案いたしますので、自動化に関する悩みや要望がありましたら、お気軽に以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。