【物流用語】出荷とは?業務内容や発送との違いを詳しく解説

物流業界においる「出荷」とはどのような作業のことを指すのでしょうか?「発送」との違いとは?本記事では、出荷の基本的な業務内容や流れを細かく解説します。出荷ミスの原因や対策方法もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

1. そもそも出荷とは?意味や発送との違いについて解説

物流業界において出荷がどのようなことを意味する言葉であるのか確認していきましょう。

1-1 出荷とは?

一般的な出荷の意味は”商品を市場に出すこと”です。物流業界では、顧客から受注した商品を自社倉庫から発送するまでの一連の業務を出荷といいます。

一連の業務には、受注データの取り込みおよび出荷登録・在庫の引き当て・ピッキング・検品・梱包・発送といった複数の工程が発生します。商品によっては付帯作業が発生するものもあり、ひとまとめに出荷といっても業務内容はさまざまです。

1-2 「出荷」と「発送」の違い 

「発送」の一般的な意味は”荷物を送り出すこと”です。物流業界では、梱包まで完成した商品を配送業者に預け、積み込みや伝票処理などを行うことを意味します。

つまり、発送は出荷業務の一部です。その中でも、お客様に商品を送り出す重要な役割を担っています。発送完了処理も出荷業務とする事が多いです。いわゆる発送完了メールの送信や、荷主への送り状番号の連携など。

 

2. 出荷は顧客との信頼関係に関わる重要な業務

物流業界において、出荷ミスをなくすことは大きな課題の1つ。たった一度のミスが企業の信頼を損なう原因になりかねません。倉庫からすれば1/100,000のミスであっても、顧客からすれば1/1のミスです。出荷は、顧客との信頼関係を築くうえで重要な役割を担っていると考えておきましょう。

出荷の一連の業務は取り扱う商品や取引先によって異なり、さまざまなルールが設けられています。その中で事務担当・ピッキング担当・荷役担当など、多くの人が業務に携わるため、いかに適切なオペレーションが行えるかが信頼関係を築くためのカギとなるでしょう。

 

3. 出荷の基本的な業務内容と6つのフロー

 倉庫IT化

こちらでは、物流業界における出荷の基本的な業務内容を紹介します。次の6ステップの流れに沿って見ていきましょう。

  1. 受注データの取り込み・出荷登録
  2. 在庫の引き当て
  3. ピッキング
  4. 検品
  5. 梱包
  6. 発送

3-1 受注データの取り込み・出荷登録 

受注データを確認し出荷登録を行います。取引先によってメールやFAXなど多くの発注方法があるため、必要な事務作業はさまざまです。ECの場合はCSV等のデジタルデータで受注を一括登録できますが、それでも使用するプラットフォームによってデータのマッピングに違いがあります。そのため、受注データの取り込みに倉庫管理システム(WMS)を採用している企業が多いです。

さまざまな方法で受注した記録をひとつのシステムで取り込み、滞りなく出荷を進められるようにします。

3-2 在庫の引き当て 

在庫の引き当てとは、受注数に対して倉庫内の在庫を確保することを意味します。この作業を適切に行わないと在庫数が狂い、出荷ミスにつながる可能性があるので注意が必要です。

例えばひとつの商品を別々の顧客から注文を受けた際に、引き当てが正しく行われないと、在庫が不足しているのに受注を確定してしまう可能性があります。ミスを未然に防ぐには、リアルタイムで在庫の引き当てを反映できる管理システムの導入や、データ取り込みの時点で仮引き当てのできるシステムが求められるでしょう。

3-3 ピッキング 

ピッキングとはピッキングリストをもとに、出荷する商品を集める作業です。商品名・ロット・数量・棚番などが細かく記載されているリストもあれば、メールやFAXのデータをもとに商品を探し出さなければならない場合もあります。

探す、という行為は倉庫内において全く価値を生み出さない行為です。ロケーション管理がなされていない、もしくはピッキングリストにロケーションの記載が無い場合は早急に改善する事が望ましいでしょう。

取り扱う商品や取引先によってピッキング方法が異なるので、商品に適したやり方を覚えなければなりません。とはいえ、SKUが多い倉庫では無限にルールができてしまうため、いかにして最大公約数的な「標準作業」を見い出すかが重要です。いわば倉庫オペレーションの腕の見せ所と言えます。

 

3-4 検品 

ピッキングで集めた商品に不備がないか確認する作業です。商品や数量が間違っていないか確認するだけでなく、汚れや破損もチェックします。

検品作業をスムーズに進めるためには、良品・不良品の基準を明確にしておくことが重要です。判断しにくい商品は写真を掲示しておくなど、商品ごとの対策を整えておきましょう。

3-5 梱包 

検品が完了した商品と伝票を適切な箱に入れて閉じ、送り状を貼る作業です。梱包方法も商品や取引先によって異なり、ラッピングが必要なものや緩衝材を入れるもの、重量のある商品ならばテープの貼り方をI貼りからH貼りにするなどの工夫もあります。

また、納品書は商品として扱わねばなりません。

  • 箱の底に入れる
  • 側面に沿わせる
  • 上に乗せる
  • 封筒に入れ外側に貼り付ける
  • 個口が分かれた場合の貼り付け方

など様々なルールがあります。

取り扱いに気をつけるべき商品を送る際には、天地無用(上下逆にしてはいけないもの)や割れ物だと分かるシールを貼り、配送業者に適切な対応を伝えることも梱包担当者の重要な役割です。送り状に間違いがないという点も忘れずに確認しなければなりません。

3-6 発送 

梱包した商品を配送業者に預けて、発送手続きを依頼します。手続きが終了し、業者が商品を持ち帰れば無事に発送完了です。企業によっては、自社トラックを使用して配達する場合もあります。 

 

4. よく起こる出荷ミスの5つの原因

出荷確認

こちらでは、よく起こる出荷ミスの原因を5つ紹介します。原因を知ることで、出荷方法の見直しにつながります。それぞれ確認していきましょう。

  1. 商品内容の違い
  2. 商品数の違い
  3. 送り先の違い
  4. 付属品の入れ忘れ
  5. 検品不足商品の出荷

4-1 商品内容の違い

商品内容の違いは、発注した商品と異なる商品が届くことです。具体的には以下のような原因に分類されます。

  • サイズ違い
  • カラー違い
  • 品番違い
  • 新旧商品の違い など

例えば商品カラーは英語で表記されているものが多く、商品の外箱で確認するしかない商品の場合は、「BL(ブルー)」と「BR(ブラウン)」など、似た商品を取り間違えてしまうことが少なくありません。1つの商品で複数のサイズやカラーがある商品ほど間違えやすくなるため、品ごとの対策も必要です。

目視によるチェックでは上記のような事が起きえますので、ハンディターミナルを用いたチェックが有効です。しかしながら、ハンディターミナルも万能ではありません。

例えば、ラベルの貼り間違いや仕分け間違いなど、出荷の上流工程でのミスが原因となることもあります。さまざまな要因が考えられるので、出荷以外の業務を見直す必要が発生するかもしれません。

4-2 商品数の違い 

発注した商品数よりも少ない(または多い)というミスには、いくつかの原因が考えられます。

  • 入り数の確認不足
  • バラとボール(ケース)の取り違え
  • ハンディターミナルの操作ミス
  • 流通加工時のセットミス など

箱に指定された入り数をセットしてから出荷する場合、同じ系統の商品でも10個入り・12個入りなど異なる場合があります。中には50個入り・100個入りといった大量の場合もあるため、流通加工時に間違ってしまうとそのまま気づかずに出荷してしまうのです。

また、ハンディターミナルの操作方法のマニュアル化、及び、トレーニング内容の標準化がされていないと、同じ商品を複数個出荷する場合の操作でミスが起こりやすくなります。

4-3 送り先の違い 

送り先を間違えてしまうケースには、以下のような原因が考えられます。

  • 送り状の貼り間違い
  • 送り先登録時の入力間違い
  • 手書き伝票の書き間違い

送り状はピッキング前に発行されるケースと、個口数が確定してから発行されるケースがあります。出荷数が多いほど適切な管理が必要であり、ピッキング・検品・梱包時に混ざってしまうことも少なくありません。

そもそも、一度に梱包するのは1注文分のみとすれば貼り間違いのミスは抑制できます。

4-4 付属品の入れ忘れ 

特にECサイトの場合、ノベルティや条件付きのプレゼント、ショップ専用の紙袋など、さまざまな付属品が発生します。ピッキングリストに載らないものもあるので、作業者が入れ忘れないように注意することが大切です。

ただし、作業者も複数の業務を掛け持つことが多いため、各マニュアルをすべて頭に入れておくのは難しいでしょう。付属品が多い部署はあらかじめダンボールにつけておくなど、入れ忘れを防ぐための対策も必要です。

4-5 検品不足商品の出荷 

正しい商品が届いたとしても、使用できない商品を届けてしまったら出荷ミスです。十分な検品ができていないことが理由に挙げられます。

  • 破損した商品
  • 汚れのある商品
  • 異物混入品
  • 賞味期限ギリギリの商品 など

商品が使えないというトラブルは会社のイメージを悪くし、たった一度のミスで信頼を失いかねません。中には「すぐに使う必要があった」「作業がストップしてしまった」「大切な記念日のプレゼントだった」といった理由で、大きなクレームや、損害賠償を請求されることがあります。

物流業界で取り扱う商品は、カテゴリや用途もさまざまです。検品の基準は商品によって異なるため、商品ごとに検品ルールを設けておく必要があります。

 

5.  出荷ミスを未然に防ぐための方法4選

出荷ミスを未然に防ぐための方法

こちらでは、出荷ミスを未然に防ぐための方法を5つ紹介します。

  1. 作業マニュアル/トレーニングマニュアルの作成
  2. 十分な出荷スペースの確保
  3. 在庫保管スペースの確保
  4. 倉庫管理システム(WMS)の導入

5-1 作業マニュアル/トレーニングマニュアルの作成 

作業マニュアルを作成することで誰でも同じ方法で出荷業務をできるようになり、新人教育もしやすくなります。その際、分かりにくい部分は写真を入れるなど、取り扱う商品に合わせたマニュアル作りが大切です。

トレーニングマニュアルを作成することで、誰でも同じ内容、品質で作業員への研修を実施する事が可能です。人によって言うことが違う、という状況はオペレーターの混乱を招き、混乱は品質の低下に直結します。

ハンディターミナルを使用した検品や目視だけの検品など、同じ倉庫内でも商品や取引先によってやり方が異なる場合があります。複数の業務に携わる作業者にとっても、マニュアルがあるだけで心強さがあるでしょう。

さらに、作成したマニュアルを取引先と共有しておくことも大切です。取引先からの要望や商品の取り扱いにおける注意点があれば、その手順を遵守して作成する必要があります。

5-2 十分な出荷スペースの確保 

十分な出荷スペースが確保できていないと、出荷時に商品が混ざりやすくなってしまいます。ピッキング・検品・梱包それぞれで作業者が異なる場合は、どの商品がどこまで終わっているのかしっかりと分かるようにしておくことが重要です。

倉庫のレイアウトを決定する際、ついつい保管効率を優先してしまい、作業効率をおろそかにしてしまうことがあります。出荷ミスを未然に防ぐためには、作業スペースをしっかり確保できるレイアウトが大切です。

5-3 在庫保管スペースの見直し 

いくらロケーション管理をしていても、整理整頓ができていないと意味がありません。在庫保管スペースに余裕がないと繁忙期に商品が溢れてしまい、出荷すべき商品が見つからないという事態につながる恐れがあります。

出荷作業の流れを考慮して動かしやすい導線で管理するとともに、いざというときのためにフリーロケーションを用意しておくなどの対策を整えておきましょう。

5-4 倉庫管理システム(WMS)の導入 

倉庫管理システム(WMS)とは、入出庫管理や在庫管理など、倉庫内の運営をサポートし、最適化するサービスです。今まで手動で行っていた場合、人件費と作業時間の削減に大きく影響します

また、リアルタイムで在庫状況が把握しやすくなるのも特長です。ロケーション(置き場所)も管理できるため、作業に慣れない人でもピッキングリストを見れば商品のある棚番が分かります。

ほかにも、煩雑になりやすいロット管理や賞味期限ごとの管理ができるのも、倉庫管理システムを導入するメリットです。さまざまなタイプのシステムがあるので、導入目的を明確にし、自社商品の管理に適したものを選びましょう。

 

6.   まとめ 

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今回は、物流業界における「出荷」について解説しました。出荷は受注された商品を自社倉庫から発送するまでの一連の業務を指しますが、さまざまな人が出荷業務に関わるため、ミスが起きやすいことが大きな課題です。

顧客との信頼関係を築くためにも、出荷ミスを防ぐための対策は欠かせません。さまざまな対策を実践してもなかなか出荷ミスが減らないのであれば、ヒューマンエラーを減らすための自動化も検討してみましょう。

プラスオートメーションでは、倉庫の自動化に関する質問や相談をお受けしています。これまでの実績をもとに、物流倉庫改善のために最適な方法を提案いたしますので、ご不明な点がございましたらお気軽に以下のフォームよりお問い合わせください。