今回、+Automationは、GLP、ロジザード、YE Digital、トヨタL&Fなど、複数のブースに出展を行った。+Automation社員の皆さんは、複数ブースの掛け持ちでとても大変そうだったが、そんな苦労をしてまで複数ブースに出展した+Automationの姿から見えてきたのは、「協創」の価値であった。
「協創」を軸に国際物流総合展2022をレポートするとともに、+Automationの展示の様子をご紹介しよう。
「協創」が目立つ、物流不動産エリア
大和ハウス工業のブースでは、同社物流センターに関する展示のほか、出資、もしくはアライアンスを行う物流IT企業の展示を行っていた。
※元画像:https://photos.app.goo.gl/uSh8yGUEq4kNKiLZA
ブースコンセプトとして「共創×課題解決」を掲げた野村不動産では、物流DXのオープンコンソーシアム「Techrum」のパートナー企業とともに出展していた。
※元画像:https://photos.app.goo.gl/pstfzSTkbUwmAkmE7
物流不動産関係の展示会ブースと言えば、自社の物流センターマップを大きくアピールするのが、これまでの定番であった。もちろん、国際物流総合展2022でもそういった従来路線の出展もあったのだが、出資、もしくはアライアンスを行うパートナー企業の存在をアピールするブースが増えてきた。
「倉庫を借りてもらうためには何をすれば良いのか?」──これは物流不動産ビジネスに携わる各社の普遍的なテーマであろう。かつては倉庫という箱の魅力(立地や賃料、スペックなど)をアピールすれば良かったのかもしれない。だが、物流不動産プレイヤーが増えた今、「箱の中で何ができるのか?」というところまで踏み込んで、魅力創出を考える企業が増えたのだ。
GLPから出資されている+Automation同様、物流不動産各社が、IT、マテハン、ロボットなどの物流スタートアップにこぞって出資しているのは、箱(倉庫)の魅力に、+αする価値を「協創」で高めたいという狙いがあってのことなのだろう。
自社の強みを高めるための「協創」
「出資したAutoStoreの価値を高めるため」、ソフトバンクロボティクスのブース担当者は、今回ブースに並ぶ数々の展示について、このように説明する。
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https://photos.app.goo.gl/Vn66fN3u8gftHcdr9
https://photos.app.goo.gl/guCMGX12m4okpQEy5
「出資したAutoStoreの価値を高めるために、さまざまなソリューションをご紹介しています」──ソフトバンクロボティクスのブース担当者は語っていた。
「ついにソフトバンクが物流ロボットに進出する!?」と、ソフトバンクロボティクス設立の発表に驚いた物流関係者も多いことだろう。その話題性もあってか、同社ブースには多くの人が立ち寄っていた。
AutoStoreそのものは、自動倉庫として既に評価を獲得している。筆者も、2019年にマルイの物流倉庫に導入されたAutoStoreについて記事 を執筆したことがある。
(参照:https://www.sbbit.jp/article/cont1/36751)
2021年4月、ソフトバンクは、28億ドルを投じ、AutoStoreの発行する株式の40%を取得した。
ただ、AutoStoreそのものは、商品の収納→保管→ピッキング(出庫)を担当するだけであって、AutoStoreだけでは、倉庫業務の全体最適化を行うことはできない。
例えば、スマートグラスのPicaviが展示されていたのは、Picaviを使えば、倉庫作業員はAutoStoreの前工程、後工程の作業において、より生産性の高い業務を実現できるからだ。
自社ソリューションの足りない部分を補完するため、ソフトバンクロボティクスは「協創」するパートナーやソリューションを求めているのだ。
後編は注目を集めたt-Sort 3D、トヨタL&Fブース、YE Digitalブース、ロジザードのブースを紹介していく。