物流のゲートアソートシステム(GAS)とは?DAS・SASとの違いやメリット・デメリットを徹底解説
ゲートアソートシステム(GAS)は、物流倉庫での仕分け作業を効率化する自動仕分けシステムです。 本記事では、GASの概要や作業手順、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。同じ自動仕分けシステムのDASやSASとの違いについても解説していますので、導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
1. ゲートアソートシステム(GAS)とは?概要やDAS・SASとの違いを解説
まず、ゲートアソートシステム(GAS)がどのようなシステムなのか解説します。DASやSASとの違いも確認しておきましょう。
1-1 GAS(ゲートアソートシステム)の概要
(画像引用:株式会社タクテック/GAS)
GAS(ゲートアソートシステム)は、バーコードを読み込むと該当のボックスのゲートが開く仕組みです。
ゲートは1箇所ずつしか開かないため、作業者は瞬時に目的の場所を探せます。ほかの場所に入れる仕分け間違いを低減し、1/10万以下のミス率と言われています。
1-2 DAS(デジタルアソートシステム)との違いはゲートの有無
(画像引用:富士電機株式会社/DAS)
DAS(デジタルアソートシステム)は、色や数字を用いて、デジタル表示で仕分け場所や数量をガイドしてくれるシステムです。GASは仕分け間違いを低減するためのゲートがありますが、DASにはありません。
DASは、複数人で同時に作業を行える点が特徴です。導入するシステムにもよりますが、最大5人程度で同時に稼働できます。
1-3 SAS(シャッターアソートシステム)との違いは機能性
(画像引用:株式会社アイオイシステム/SAS)
SAS(シャッターアソートシステム)は、GASと同様に該当のボックスが開く仕組みですが、一度に複数のボックスが開くのが特徴です。デジタル表示があり、各ボックスに投入数量が表示されます。
また、用途に合わせて角度や速度、遮断時間などの設定が可能です。安全に配慮した設計になっており、オリコンの取り外しも容易に行えます。
2. ゲートアソートシステムによる作業手順
(画像引用:株式会社タクテック/導入事例)
ゲートアソートシステムは、商材や事業者の希望に合わせて設計可能です。フットスイッチや手動スイッチなど、使いやすいようにカスタマイズできます。
ゲートアソートシステムの具体的な作業手順は以下のとおりです。
- 商品をハンディターミナルでスキャンする
- 商品に対応した仕分け先(ボックス)のゲートが開く
- 商品を投入する
- スイッチでゲートが閉まる
- 上記手順を繰り返す
主な流れとなりますので、1つの例としてご確認ください。
なお、誰でも簡単に覚えられるような分かりやすい作業手順となります。人によってやり方が異なる心配もありません。
3. ゲートアソートシステムを導入する4つのメリット
ゲートアソートシステムを導入するメリットは以下の4つです。
- 仕分けミスを低減する
- 生産性の向上
- 省スペースで設置可能
- カスタマイズしやすい
それぞれ解説します。
3-1 仕分けミスを低減する
ゲートアソートシステムは1投入で1箇所しかゲートが開かないため、誤ってほかのボックスに入れてしまうミスを低減します。
なかには仕分けが完了すると音で知らせてくれるタイプもあります。ボックスが開くという視覚の情報だけでなく、聴覚も使ってミスを低減する仕組みです。
3-2 生産性の向上
ゲートアソートシステムを用いると、1時間あたり800〜1000ピース程度の仕分けが可能です。システムなしで仕分けを行うよりも、生産性を大幅に向上できます。
該当のボックスが自動的に開くことで瞬時に仕分け場所を判断できるため、「仕分け場所が分からない」「類似商品があって悩んでしまう」といった心配がありません。
3-3 省スペースで設置可能
ゲートアソートシステムは、コンベアなどの自動仕分けシステムよりも少ない床面積で導入できます。設置場所に余裕がない倉庫でも利用しやすい点がメリットです。
また、設置が容易であり、大掛かりな工事をする必要がありません。
3-4 カスタマイズしやすい
商材や倉庫に合わせてカスタマイズしやすいのも、ゲートアソートシステムのメリットです。倉庫のレイアウト変更による移設も簡単に行えます。柔軟にカスタマイズできるのがゲートアソートシステムの強みです。
4. ゲートアソートシステムを導入する3つのデメリット
ゲートアソートシステムを導入するデメリットは以下の3つです。
- 大規模なピッキングには不向き
- DASよりも通路を広く確保する必要がある
- レイアウトの見直しが必要
デメリットになる部分をきちんと理解したうえで、自社倉庫に適しているか判断しましょう。
4-1 大規模なピッキングには不向き
ボックスへの投入が1コンテナごとになるため、大規模なピッキングには不向きです。複数人で同時進行できないので、生産性に限界があります。
また、商品の数が増えるほど、該当のボックスに移動するまでの時間がかかるでしょう。導入を検討する際は、効率よく進められる規模の商材であることが望ましいです。
4-2 通路を広く確保する必要がある
仕分けする商品をまとめて置く場所など、ゲートアソートシステム前の通路をある程度広く確保する必要があります。仕分け終わったボックスの取り出し口も考慮しなければなりません。
通路の幅は、取り扱う商品のサイズや、1出荷あたりの梱包サイズによっても異なります。導入前にどの程度の場所の確保が必要で、どのくらいの効果を期待できるのか、しっかりと確認することが大切です。
4-3 レイアウトの見直しが必要
ゲートアソートシステムの導入場所を確保するために、レイアウトの見直しが必要です。オペレーション自体も変わってきますので、動きやすい導線になるように倉庫のレイアウトを変更しましょう。
その際、梱包の流れまで考慮することが大切です。できる限り場所をとらず、効率よく動ける仕組みをルール化しておきましょう。
5. 導入コストを削減!プラスオートメーションのロボットソーターを紹介
ゲートアソートシステムをはじめ、自動仕分けシステムを設置する場合は初期に多額の導入コストがかかるケースがほとんどです。倉庫を効率化するための先行投資として考えられがちですが、導入コストを考えるとなかなか踏み出せない物流事業者も多いことでしょう。
導入コストをかけずに仕分け作業を自動化したいなら、当社プラスオートメーションのロボットソーター「t-Sort」によるRaaS(Robotics as a service)もぜひご検討ください。当社では初期費用ゼロ、月額使用料のみのシンプルな料金体系でロボットを提供しています。
t-Sortは、店舗別・オーダー別・方面別・返品・入荷などの仕分けが可能です。設置場所を選ばないため、テーブルやパレットなどを利用して省スペースで導入できます。
バーコードを読み込むことでロボット自体が仕分け作業を行うので、ゲートアソートシステムでは防止しきれない仕分けミスの心配がありません。多くのロボットを同時に稼働させられるため、ゲートアソートシステムよりスピーディーに仕分け作業を行えます。
当社のRaaSは、ロボットの導入効果を出すまで並走するサービスです。大規模な商材の仕分けであるほど、高い導入効果を実感いただけるでしょう。
6. まとめ
ゲートアソートシステム(GAS)は、時間のかかる仕分け作業を効率化するシステムです。ゲートが1箇所ずつしか開かない仕組みとなっているため、正確性が高く、仕分けミスの発生リスクを大幅に低減できます。
ただし、取り扱う商材の規模によっては期待する効果を得られない可能性があります。デメリットになる部分をしっかりと理解したうえで、導入を検討しましょう。
プラスオートメーションでは、仕分けの自動化に貢献するロボットソーター「t-Sort」を月額サブスクリプションで提供しています。
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