【物流用語】入荷とは?入庫との違いや6つの効率化ポイントをご紹介!
物流倉庫で日々行われる「入荷(にゅうか)」には、運送業者から商品を預かる重要な役割があります。一般的に知られている言葉ではあるものの「物流業界においてどこからどこまでの作業を意味する言葉なのかが、いまいちわからない」という方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、入荷の作業内容や効率化するためのポイントまで詳しく解説します。混同しがちな「入庫」との違いについてもまとめていますので、正しく使い分けられるように、ぜひ記事をご覧ください。
1.入荷とは?
物流業界における「入荷」とは、仕入先や物流拠点から商品や荷物が到着し、倉庫内に受け入れることを意味する言葉です。受け入れるだけなので、入荷の時点では在庫として計上されません。
フォークリフトでトラックから荷物を降ろすなど、商品によっては受け入れ作業がともない、荷受(にうけ)と同義語で表現されることもあります。
2.入荷検品とは?
入荷後は、入荷検品作業に切り替わります。入荷検品とは、入荷した商品に間違いがないか、個口数や外箱などをチェックする作業です。
商品別に仕分けて棚入れするための検品なので、入り数が合っているか、商品の中身がすべて正しいかなどの細かい検品までは行いません。届いた商品の状態を確認し、明らかな破損や汚れなどがあれば早い段階で対処することが可能です。
倉庫管理システム(WMS)を導入すれば、入荷検品した商品が自動的に在庫データに反映されます。伝票と照らし合わせて目視でチェックする場合は、あとから手動でデータを入力する作業が必要です。商品や取引先によって検品方法が異なりますが、入荷後すぐに入荷検品を行うことで正確な在庫数を把握できます。
3.入荷と入庫の違い
入荷と混同しやすい言葉に「入庫」がありますが、入庫は受け入れた商品や荷物を倉庫内の保管場所に入れることを意味します。入荷・入荷検品のあとに続く作業です。
商品ごとにロケーションが決まっているため、仕分けをしながら保管場所に棚入れを行います。
運送業者によって受け入れ場所が決まっている場合は、入荷した商品と出荷する商品が混ざらないように注意しながら入庫作業を進めなければなりません。
4. 入荷作業を効率化するための6つのポイント
入荷から入庫作業までは、正確で迅速な対応力が重要です。こちらでは、入荷作業を効率化するためのポイントについて解説します。1. 倉庫内の整理整頓を心がける
2. 作業マニュアルの作成
3. 役割分担を明確にしておく
4. 入荷スケジュールを共有する
5. 倉庫管理システム(WMS)の導入
6. 荷役作業を自動化する
4-1 倉庫内の整理整頓を心がける
倉庫内の整理整頓ができていないと、すぐに入庫できずに商品がどんどん溜まってしまいます。1日に何度も商品が入荷する倉庫では、いかに早く入庫まで終わらせられるかが重要です。
日頃から整理整頓を心がけ、スムーズに作業できる環境を整えておきましょう。その際、先入れ先出しを考慮して移動しやすいレイアウトを組んでおくことが大切です。
さまざまな商品を取り扱う倉庫では、入りきらない商品や資材などをフリーロケーションに保管することもあります。後々そこに何があるのか分からなくならないように、何が置いてあるのか紙に大きく書いて貼っておくなどの対策をしましょう。
ときには一時的に入荷が増えて保管場所がなくなり、いつもと別の場所に入庫するケースもあります。出荷担当者が混乱しないように、変更点がある場合は入庫の時点で必ず伝えておきましょう。
4-2 作業マニュアルの作成
誰でも同じように入荷作業が行えるように、作業マニュアルを作成しておくことが大切です。
大型の倉庫では荷役担当者ごとに持ち場が決まっていることも多いですが、忙しいときにフォローし合える体制が整っていないと、作業が滞ってしまいます。「どうやって入荷検品しているのか分からない」という状況になってしまうと、入荷した商品が置かれたままになり、いつまでも在庫として計上されません。
入荷する商品はパレット単位で届く商品もあれば、少ない個口数で一般的な宅急便として届くものもあります。目視のチェックで入荷検品を行う場合、伝票などを紛失しないようにデータ入力までの手順を徹底しておかなければなりません。
作業マニュアルがあることで、このような作業を誰でも同じように行えます。入荷作業時のミス削減し、倉庫全体の効率化にもつながるでしょう。
4-3 役割分担を明確にしておく
入荷作業のどこまでを誰が担当するのか、役割分担を明確にしておくことも大切なポイントです。
入荷検品を荷役担当者が行う場合もあれば、出荷担当者もしくは担当社員が行う場合もあります。商品によって出荷までの手順が異なるため、商品ごとに基本的な役割分担を決めておくと安心です。
この役割分担がきちんとできていないと、「入荷検品前に出荷してしまった」というトラブルも発生します。特に”入荷待ち”の状態になっている商品などは入荷してそのまま出荷エリアまで運ばれることもあり、イレギュラーなミスが起こりやすくなるので注意が必要です。
4-4 入荷スケジュールを共有する
担当者だけが入荷スケジュールを把握している状態だと、担当者不在時にスムーズに荷物を受取れません。大型の荷物の場合は積み降ろしを行うバースまですぐに誘導できず、運送業者を待たせてしまうこともあります。
担当者がすぐに対応できない場合でも、入荷スケジュールが共有できていればバースの空き状況などを把握し、スムーズに誘導することが可能です。
ときには時間通りに入荷せず、特定の時間に集中してしまうこともあります。入荷遅れなどの情報も共有できていれば、いざというときに焦らずに適切な対応ができるでしょう。
事務所にホワイトボードを置いてスケジュール管理をしたり、朝礼で共有したり、倉庫の形式によって適切な共有方法が変わってきます。属人的にならないよう、複数人で支え合える体制を整えておくことが大切です。
4-5 倉庫管理システム(WMS)の導入
倉庫管理システム(WMS)とは、入出庫管理や在庫管理など、倉庫内の運営をサポートし、最適化するサービスのことです。入荷検品の際にリアルタイムで在庫データに反映され、入荷間違いがあればすぐに気づけます。
また、商品をどの棚にいつ入れたのかを把握することも可能です。システムによってロケーション管理がされているため、入庫作業もスムーズに行えます。
正確な在庫管理を行うためにも、入荷検品作業は非常に重要です。
目視でチェックする場合は、同じ商品でも伝票と外箱に記載された表記が異なるケースもあり、入荷検品に慣れていないとミスが起こりやすくなります。特に海外から輸入される商品は外箱だけでは分かりにくい場合もあるため、倉庫管理システムの導入が効果的です。
4-6 荷役作業を自動化する
入荷作業を効率化するためには、荷役作業の自動化も有効です。物流業界の課題である労働力不足を改善し、少ない人数で入荷作業が行えるようになります。
なかには自動運転タイプの台車やフォークリフトもあり、倉庫に合わせてさまざまな物流ロボットの導入が可能です。入荷検品後の荷物を特定の場所まで運搬する作業を自動化すれば、入荷場所に荷物が溜まる心配もありません。
荷役作業を自動化することで正確で迅速な入荷作業を行えるだけでなく、荷役事故を回避する安全対策にもつながります。
5. 工程間搬送を自動化する自動搬送ロボットのJUC-L600Rの紹介
JUC-L600Rは、可搬重量600kgの自律走行AMRです。倉庫内や工場内の工程間搬送などさまざまなシーンで利用可能です。ロボット上の大型トレイは、多様な棚や台車に対応可能です。
また、「3Dビジュアルナビゲーションシステム」と「3Dビジュアル障害物回避システムLX-MRDVS®」を搭載し、優れた安全性を確保しています。
6. まとめ
運送・倉庫業では入荷から入庫までの作業には、迅速な対応力が求められます。入荷作業を効率よく行うために倉庫内の整理整頓を心がけ、サポートし合える環境を整えておきましょう。
プラスオートメーションでは、労働力不足で入荷作業が滞りがちな業者様などから、自動化に関するご相談もお受けしています。少しでもご不明な点や心配ごとがありましたら、お気軽に以下のご相談フォームよりお問い合わせください。