物流ロボットのサービス化「RaaS」とは?特徴や利用する5つのメリットを詳しく紹介

物流倉庫の自動化が進む中で、ロボットをサービスとして利用するRaaSが注目を集めています。気になってはいるものの「RaaSについていまいち理解できていない」「自社倉庫に有効な施策かわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、実際にRaaSサービスを提供する当社プラスオートメーションが、RaaSについてわかりやすく解説します。当社の導入事例も紹介しますので、RaaSの利用を検討する際にお役立てください。

 

1. RaaSはロボットをサービスとして提供するビジネスモデル

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RaaSは「Robotics as a Service」の略称で、ロボットをサービスとして提供するビジネスモデルのことです。物流業界だけでなく、空港や農業、産業など幅広い業界で導入が進んでいます。

今までロボットは、自社で所有する ことが一般的でした。ロボットの導入には数百万円~数千万円もの導入コストがかかるため、先行投資として考えられていたのです。

一方でRaaSではロボットを所有するのではなく、サービスとして利用します。さらにロボット本体だけでなく、制御システムや遠隔監視プログラム、アップデートなどの機能をシステムで管理して提供する仕組みです。 

これによりロボット導入の初期費用を抑え、毎月定額料金での支払いとなります。 自動化へのハードルが下がり、今まで導入に踏み出せなかった事業者でも利用しやすくなりました。

このあとの章で、さらに詳しくRaaSについて解説していきます。利用するメリットや特徴をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

2. RaaSを利用する5つのメリット

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RaaSを利用するメリットは大きく分けて5つあります。企業の規模に関係なく、どのような事業者でも利用しやすい仕組みが整っているのが特徴です。

  1. ロボットの導入コストを抑えられる
  2. 省人化・省力化の実現
  3. 運用コストを管理しやすい
  4. 最適化を考えて台数を増減できる
  5. 導入後のメンテナンスが安心

それぞれ解説しますので、RaaSへの理解を深めておきましょう。

(1) ロボットの導入コストを抑えられる

RaaSによってロボットを導入することで、ロボットを自社で所有して稼働させるよりも導入コストを大幅に抑えられます。例えば当社プラスオートメーションの場合、標準的な仕様 であれば初期費用は一切かかりません。

ロボットを所有するとなると、数台設置するだけで数千万円もの導入コストがかかります。ロボット本体の購入費以外にも、関連装置や周辺設備、システムの連携などで費用がかさんでしまうのです。

RaaSとして契約すれば導入コストがかからない分、ほかの事業に予算をまわせます。「導入コストを考えるとなかなか踏み出せない」という事業者でも利用しやすいのがRaaSの大きなメリットです。

(2) 省人化・省力化の実現

RaaSによってロボットを導入することで、省人化・省力化につながります。人手不足で悩む事業者にとって、ロボットによる自動化は有効な改善策です。

省人化・省力化を実現できれば、以下のようなメリットも得られます。

  • 生産性の向上
  • ヒューマンエラーの削減
  • 採用コストの削減

ロボットの操作は比較的簡単で、誰でも同じように作業を行えるのが特徴です。今まで人の手で行うと負担が大きかった作業をロボットに任せることで、その分ほかの作業に専念できます。

(3) 運用コストを管理しやすい

RaaSの料金体系には、月額定額課金のサブスクリプションモデルや、使用量に合わせた従量制の課金モデルなどがあります。毎月のサービス利用料として運用コストを管理しやすい点もメリットの一つです。

ロボットの導入において、実際に稼働させてから気付く点も多々あります。思ったよりも利益が出ず、採算が合わない可能性もあるかもしれません。

そのような場合でもロボットを所有しているわけではないので、RaaSを提供する企業に相談して新たな対策を練ることができます。

(4) 最適化を考えて台数を増減できる

RaaSでは、閑散期や繁忙期に合わせてロボットの導入台数を増減できます

例えば毎年繁忙期のシーズンが決まっているのであれば、そのタイミングに合わせてロボットの導入台数を増やし、事前に最適化が可能です。逆に閑散期であれば、台数を減らしておくことで無駄な費用が発生しません。

自社でロボットを所有するとなると、作業が追いつかなくなれば新たにロボットを追加購入する必要があります。最適化を考えてロボットの導入台数を増減できるのは、RaaSだからこそできる取り組みです。

(5) 導入後のメンテナンスが安心

RaaSで必要な機能はすべてシステムで管理されているので、機能の追加や修正などをサービス提供側が行いやすい点がメリットです。物流事業者側で担当者を配置して管理する必要はありません。

これが自社所有のロボットとなると、ロボットのメンテナンスなどを専門的に管理する担当者の配置が必要となります。

 

3. プラスオートメーションが提供するRaaSの特徴を5つ紹介

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RaaSを提供する企業によってサービスの形態が異なります。

こちらでは、当社プラスオートメーションが提供するRaaSの特徴を紹介しますので、RaaSを検討する際にお役立てください。

  1. 初期費用ゼロ、月額使用料のみのシンプルな料金体系
  2. ロボット導入の支援から維持管理までワンストップで提供
  3. 自社開発の庫内実行システム「+Hub」による一元管理
  4. 24時間の電話受付体制(その後必要に応じたサポートをご提供)
  5. 取り扱いロボットは順次拡大中

それぞれの項目についてご案内します。

(1) 初期費用ゼロ、月額使用料のみのシンプルな料金体系

プラスオートメーションでは、標準的な仕様であれば初期費用ゼロでロボットを提供しています。月額定額制のサブスクリプション型でロボティクスサービスを提供するシンプルな料金体系となっており、目的に合わせて予算を考慮した導入が可能です。

導入も比較的短期間で完了します。故障や点検時に オペレーションが停止する心配もありません。

(2) ロボット導入の支援から維持管理までワンストップで提供

プラスオートメーションのRaaSは、ロボット導入の支援からシステムのインテグレーション、維持管理まで、すべてワンストップで提供します。契約・導入いただくまでの支援は無償で行いますのでご安心ください。

導入後も物流事業者様に寄り添い、導入効果を出すまで並走いたします。RaaSはロボットを提供することが目的ではなく、物流事業者様の生産効率を高めることが目的です。気になる点などがございましたら、お気軽にご相談ください。

(3) 自社開発の庫内実行システム「+Hub」による一元管理

プラスオートメーションでは、自社開発による庫内実行システム「+Hub」を活用してロボットとの連携を行っています。「+Hub」には以下の6つの機能が備わっているのが特徴です。

  • ユーザー管理
  • データの取り込み
  • ブラウザで商品スキャン
  • リアルタイム作業進捗管理
  • 作業分析・比較
  • 端末状態監視

「+Hub」で一元管理することにより、簡単操作でデータの取り込みなどを行えます。直感的でわかりやすいUIデザインで、導入初日から操作が可能です。

(4) 24時間の電話受付体制(その後必要に応じたサポートをご提供)

万が一ロボットにトラブルが起きた場合でも、24時間電話受付にて対応いたします。土日祝日や夜間のトラブル時もご安心ください。※但し、サービス時間(平日9時〜17時)外のお問合わせは翌営業日に折り返しのご連絡となります。

ほかにも、定期点検やソフトウェアおよびシステムライセンスのアップデートといったメンテナンス体制も整えています。

(5) 取り扱いロボットは順次拡大中

プラスオートメーションがRaaSで提供するロボットの種類は、人手のかかるピッキング・仕分け用を初めとし、搬送ロボットなど順次拡大中 です。

こちらでは、RaaSで取り扱っているロボットを3種類紹介します。

①次世代型ロボットソーター「t-Sort」

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t-Sortは、少人数・短期間・大量の仕分け作業を実現するロボットソーターです。国内73拠点で2,500台以上 の導入実績があります。

小型で設置場所を選ばず、最大30kgまでの商品を運搬できるのが特徴です。月額30万円から導入可能なパッケージプラン「t-Sortスターター」もご用意しています。

②次世代協働型ピッキングロボット「ラピュタAMR」

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ラピュタAMRは、ピッキングをサポートする自立走行可能なロボットです。レーザーによる障害物検知機能が付いており、人や障害物を自ら避けて走行します。

ピッキングが完了した商品の運搬を任せることで、移動によるタイムロスの削減が可能です。最大40kgまでの商品を運搬できます。

③自動搬送ロボット「CarriRo」

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CarriRoは運搬をサポートする自動搬送ロボットです。追従走行および自立走行を可能とし、パレットやカゴ台車の牽引も行えます。

簡単なマーカー設置により、即日稼働が可能です。状況や変化に応じて柔軟にルート設定ができ、ルートを毎回変更することもできます。

 

4. RaaSによる当社のロボット導入事例を3つ紹介

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RaaSによる当社のロボット導入事例を3つ紹介します。

  • 導入事例1:澁澤倉庫株式会社様
  • 導入事例2:株式会社山善様
  • 導入事例3:京葉流通倉庫株式会社様

物流ロボットの活用事例を確認したい方は、YouTube動画の「+Automation Channel」をご確認ください。

導入事例1:澁澤倉庫株式会社様

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物流や不動産事業を手掛けている澁澤倉庫株式会社様に、RaaSによるAGVソーター「t-Sort」の導入に加え、倉庫スペースのレイアウト設計、架台の設計・製作・納品などを担当させていただきました。

t-Sortを導入した松戸営業所はアパレルやアウトドア用品、化粧品などのさまざまな商品を取り扱っており、EC対応も進んでいる拠点です。アパレル特有のシーズン入替時返品等の一時的な大量仕分け作業がボトルネックとなっていたそうです。

今回ハイスピード稼働のt-Sortを導入することで、短時間で大量返品商品等を捌ききるという圧倒的な効果を実感していただけました。立ち上げ前に綿密な打ち合わせとテストを繰り返し、現地での立ち上げはわずか3日間で完了しております。

関連記事:RaaSによるAGVソーター「t-Sort」導入レポート|澁澤倉庫様の倉庫にて、現地3日間で立ち上げを完了

導入事例2:株式会社山善様

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生産財と消費財を扱う専門商社株式会社山善様に、RaaSによるAGVソーター「t-Sort」をロジス関東に24台導入いたしました。ロジス関東では、日用品の店舗別仕分け作業、返品仕分け作業の自動化を実現しております。

24台のt-Sortに対してシュート設置数を50シュート分用意することで、1時間あたり約1,900投入の仕分けを可能としました

また、走行中に商品が滑って落下しないように補助材を加え、ハンモックシュートを仕分け先に採用することで、取り扱いに注意が必要な日用品の仕分け自動化を実現しています。

t-Sortを導入することで、作業員を12名から5名に削減し、生産性を3倍にするという素晴らしい結果につながっています

導入事例3:京葉流通倉庫株式会社様

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関東一円に多くの物流倉庫をもつ京葉流通倉庫株式会社様に、協働型ピッキングアシスタントロボット「PA-AMR」を”購入”という形で岩槻倉庫に20台導入いたしました。

岩槻倉庫は主に近隣の大型スーパーなどへペット用品を供給しており、導入にあたって50Lのオリコンを載せられるサイズが絶対条件でした。対応できる形にカスタマイズし、導入しています。

現在は20台のAMRに対して8名程度の作業スタッフが携わっているそうです。少しずつAMRの動きに慣れ、生産性の向上などの効果を実感いただいています

今回はご提案の際に将来性を見据えて”購入”を選択されましたが、今後大きな波動に対応するために、RaaSを利用した一時的なAMRの追加も視野に入れてくださっています。このように、必要に応じてRaaSを組み合わせることも可能です。

(参考:ラピュタロボティクス/【京葉流通倉庫】小売業を支える流通倉庫が協働ロボットとのピッキングで生産性を上げる秘訣

 

5. まとめ

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RaaSによってロボットサービスを利用することで、ロボットの導入コストを大きく抑えられます。繁忙期や閑散期に合わせて導入台数を増減できるので、無駄な費用を発生させず、生産性の向上が可能です。

RaaSはロボットを提供することを目的としているのではなく、物流事業者様の生産効率を高めることを目的としています。当社プラスオートメーションでは、導入後も期待する効果を得られるまで並走いたしますのでご安心ください。

・ロボットを導入すべきか判断できない
・どこを改善すべきか分からない
・自動化についてもっと知りたい
・初期費用を抑えたい

といったお悩みにも対応いたします。少しでもご不明な点や心配ごとがありましたら、お気軽に下記のご相談フォームよりお問い合わせください。