物流には6大機能があり、それぞれが連携することで商品が消費者の元に届きます。最近は物流業界の変化に伴い、6大に新たに2つ加えた8大機能が注目されています。
物流の機能について「詳しい仕事内容はわからない」「8大機能には何が含まれる?」などと疑問に思うこともあるのではないでしょうか?
そこで本記事では物流の6大(8大)機能の仕事内容や、重要性について解説します。生産性を上げる方法についても解説するので「物流の機能について詳しく知りたい」「生産性を上げて利益を高めたい」と考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
こちらでは、物流の8大機能の仕事内容と重要性を解説します。物流8大機能とは、6大機能に「管理」「調整」を加えたものを指します。
6大機能の方が一般的ですが、ネットショップの普及などによる需要増加を背景に物流業界は変化しているので、今後は8大の重要性が増していくでしょう。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
商品を移動させる業務で、物流の根幹といえます。業態によっては物流コストの大半を占めるほど、重要な業務です。
輸送は大量の商品を長距離の移動を経て、ある拠点から違う拠点まで運びます。例えば、工場から物流センターへの商品の移動は「輸送」です。
一方で、配送は小口の商品を中距離の移動を経て、複数の場所に届けます。例えば、物流センターから卸問屋や小売店への商品の移動は「配送」です。
重要な業務でありながら、以下のように様々な課題が存在します。
物流業界全体で人手不足は大きな課題とされていますが、特に、輸送・配送におけるドライバー不足は深刻です。少子高齢化や労働環境の過酷さなど、様々な背景によって人材が不足しています。
解決のためにAIの導入による配車計画・配送ルートの最適化や、賃金アップを行っている企業もあります。
(参考:農林水産省:トラック運送業の現状と課題について)
生産された商品を、一時的に在庫として倉庫内に保管する業務です。保管は、生産と販売の時間のずれを解消するのが目的で、商品の質を保つことが求められます。
保管方法は自社の倉庫を使用したり、外部委託したりと様々ですが、在庫の過不足を防ぐ発注コントロールや、製造年月日や温度・湿度管理による品質維持が主な業務です。
よくある課題は、以下のとおりです。
保管の課題は、出荷頻度を考慮したレイアウト変更や、ロケーション管理の徹底で改善できます。また、在庫管理システムの導入は、適正在庫の維持に効果的です。
「自社の保管業務を改善したい」という方は、以下の記事をお読みください。
(参考:【保存版】在庫管理とは?効果的な方法5ステップとよくある悩みを徹底解説)
入庫から出庫までの、商品の動きを管理する業務全般を指します。以下のように、非常に多種類の業務が含まれます。
それぞれの作業が物流管理全体の生産性や効率に影響を与える重要な業務で、円滑に行うことが重要です。
業務が幅広いので様々な問題点がありますが、中でも「安全性」は大きな課題です。厚生労働省のデータによると、物流現場における事故の75.5%が、荷役作業中に発生しています。
マニュアル作成やリスクアセスメントを行い、事故を未然に防ぎましょう。
荷役の各業務内容や、安全性について詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
(参考:荷役とは?物流倉庫内での作業内容、ともなう危険や安全対策まで徹底解説)
商品を安全に消費者のもとへ届けたり、デザイン性を高めて商品価値を上げたりする業務が「包装」です。包装には主に3種類あり、商品の性質に合わせて行われます。
個装は品質維持のために、商品を1つずつ包装します。個装された商品をまとめて包装するのが「内装」さらに段ボールや木箱に入れるのが「外装」です。
内装は、購買意欲を掻き立てるデザイン性が重要です。一方で、外装は輸送時に受ける衝撃から商品を守るために行われます。
包装は商品を守るために必須の業務ですが、安全性を重視すると過剰になりやすい点が課題
です。過剰包装は包装材のコスト増加や積載率減少を引き起こすので、利益を下げてしまい
ます。
課題を解決するために、コストパフォーマンスの高い新たな包装材の開発なども進んでいます。また、包装のアウトソーシングを請け負う企業も増えてきているので「自社では効率よく行うのが難しい」と感じる場合は検討してみましょう。
出荷時に行う加工全般を指し、商品の付加価値を高めるために行われます。以下のような業務が代表的です。
現在は多品種少量生産が主流なので、流通加工の業務は非常に多岐にわたります。
そのため、人員やスペースなど多くのコストが必要です。
流通加工に割くリソースが足りない、という場合は外注するのが有効です。
受注から配送完了までの、情報を管理する業務です。情報管理を徹底することで、他の5つの業務を効率化できます。
例えば、以下のような情報を管理します。
「どの在庫がいくつ、どこにあるのか」「いつまでに何をどこに届けるのか」といった情報を一括管理し、共有できるようにすると、業務がスムーズに進められるでしょう。
情報管理の大きな課題は、ヒューマンエラーです。頻繁に起きると、情報の精度が下がり、
業務効率を下げてしまうかもしれません。
解決には、物流管理システムの導入が効果的です。物流管理システムには、主に倉庫内での
情報を管理するWMS(倉庫管理システム)と、出庫から配送完了までの情報を管理するTMS(配送管理システム)があります。
物流機能全般を、管理する業務です。物流全体のクオリティを上げるのが目的で、複数の機能の連携をうまく取れるようにします。
情報管理と共通する業務も多いですが、より統括的な管理を行う機能です。商品の数量や品質だけでなく、スペースや人員などのコストを管理・改善することが求められます。
自社のキャパシティに応じて、出荷量や時期を調整する業務です。人手不足が深刻になっている物流業界で、最近注目を集めています。
災害や人手不足が原因で業務が通常通り行えない際に、作業量に制限をかける「リミッター」としての役割を担います。
こちらでは物流8大機能を効率よく働かせ、全体の生産性を上げるために効果的な方法を
紹介します。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
ロボットを導入すると人が行っている業務を機械に任せられるため、人手不足解消に効果的です。省力化・効率化が実現し、物流全体の生産性を上げられるでしょう。
導入時にコストは発生しますが、長期的な人件費の削減や、ヒューマンエラーによる信頼性の低下を防ぐことを考えると、おすすめの手法です。特に近年は人材不足が加速しているため、少しでも自動化を考えておいたほうがよいでしょう。
なおプラスオートメーションでは、ピッキングや仕分けで活躍するロボットを、初期費用0の月額定額制で提供しています。
初期費用が0なので、導入時に多額の予算を用意する必要はありません。また導入することが目的ではなく、導入効果を出すまで責任を持って並走するサービスです。自動化に関するお悩みがありましたら、いつでもプラスオートメーションまでご相談ください。
物流システムは、以下のような様々な業務に対応しています。
自社の課題に合ったシステムを導入することで、より高い効果が望めるでしょう。
人が行っていた業務をシステムに任せることで、より正確・細かい情報まで管理できるようになります。情報の分析を精密に行えるので、問題の早期発見にも役立つでしょう。
物流システムの機能や導入のメリットについて詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
(参考:WMSとは?倉庫管理システムの特徴・メリットと選び方を徹底解説)
人手不足が深刻で、物流業務が円滑に行えないという場合は、一部の業務を外部に委託するのも有効な選択です。
委託代はかかるものの、プロによる徹底的な管理によって、人材不足をしっかり解消できます。もちろん人材だけでなく、在庫を保管する場所が不足しているという場合にも、
アウトソーシングは効果的です。
効果的にアウトソーシングを行うためには、自社の問題点を見極めて、解決に適した企業を選ぶことが非常に重要です。
物流はすべての機能がそれぞれうまく働き、連携が取れることで円滑に行われます。各機能の仕事内容や重要性を理解することは、自社が抱える課題を認識し、物流全体のクオリティを上げるのに役立ちます。
また「どの機能に問題があり、解決にはどんな方法が最適なのか」という点は、企業の性質や扱う商品によって様々です。
なお、自社に最適な方法を考えるには、倉庫内のオペレーションに精通した専門家の意見を聞くことが効果的です。
プラスオートメーションでは「現場の課題を解決すること」を目的とし、自動化のコンサルティングから適切なロボットの選定・導入まで、すべて一括で提供しています。
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